仕事の喜びは「ありがとう」と言っていただけること 丹後佳代(丹後取締役)

昨年末、日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」で新・事業継承モデル賞を受賞した丹後佳代さん。保険と不動産の仕事に加え、2015年にタオル事業を始められた思いとは――。
30~40代の女性に愛されるタオルブランド「OLSIA」誕生のいきさつも交えてお話しいただきました。

「ありがとう」という言葉や無数のご縁への感謝が仕事の原動力です

丹後佳代
丹後取締役

(タオル事業を始められたいきさつを教えてください)

丹後 主人の実家が愛媛県今治市で保険と不動産の会社を経営していたので、25歳で結婚後、3代目だった主人と共に家業を継ぎました。ところが2015年、私が35歳の時に、仕事でお世話になったタオル会社の社長が事業を畳むからと来店されたんです。

 そこは90年以上の伝統があり、今治でも5本の指に入る歴史を持つ老舗タオル工場だったんですけど、後を継ぐ方がいらっしゃらなかったんです。保険と不動産という仕事柄、それまでも後継者不足による事業の廃業や空き家問題を目の当たりにしてきましたが、自分たちの大切な故郷今治が衰退していく姿にいつも胸を痛めていました。

 そのため、廃業のお手伝いを依頼された後、主人と共に考え抜いた末、頼まれてもいないのに事業継承を申し出たんです。

(どういうことでしょうか?)

丹後 地元を活性化させたいという強い願いから、ぜひ地場産業であるタオル事業を継がせてほしいと社長に直談判したんです。
 しかし、社長からは「いま、3代目として地域の中で頑張っている上に、さらにもう一つ背負い込む必要があるのか」と断られました。
 タオル事業の厳しさを分かった上での愛情だったのだと思います。

一度断られながらも、どのように事業を継承し、多くの人に愛されるタオルが誕生したのか――

この後、こんなお話をしていただきました

・事業継承の本当の意味
・「しあわせを届けるタオル」の誕生秘話
・仕事と子育ての両立
・娘に伝えた「仕事をする意味」

プロフィール

丹後佳代

たんご・かよ―昭和55年愛媛県生まれ。兵庫教育大学卒業後、小学校教師になる。同郷の夫との結婚を機に故郷に戻り、夫の家業だった不動産・保険代理店の事務に就く。タオル会社を継承し、平成27年7月丹後を設立。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2019」で新・事業継承モデル賞を受賞。現在8歳と5歳の2人の娘がいる。


編集後記

《丹後さんがタオルづくりに懸ける思い》

頑張った一日の終わりにお風呂に入りリラックスして、フワフワなタオルで全身を包まれたら、とても癒やされますよね。「きょう一日頑張ってよかった。また明日も頑張ろう」って。タオルを通じて日常生活の中でそんなふうに感じてもらえる瞬間をつくりたかったんです。

2019年8月1日 発行/ 9 月号

特集 読書尚友

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