能力の差ではなく真剣度の差が成功を決める 鍵山秀三郎(イエローハット創業者)

鍵山秀三郎氏。自転車1台の行商から事業を興し、イエローハットを東証一部上場に発展させた経営者だ。また、50年以上に及ぶ掃除の実践は世界的な広がりを見せ、「掃除の神様」の異名を取る。そんな鍵山氏が自らの原点を振り返って語った人生論とは――。

不条理・不合理・不都合なことに直面した時、ついつい口で反論したり、あるいは反抗的な表情や態度を取ったりしてしまうものですが、私は一切しませんでした

鍵山秀三郎
イエローハット創業者

 どうしてそこまで忍耐できたのかと言うと、2つの理由が挙げられます。
 1つは、両親に心配をかけたくなかったこと。当時は1つの会社に長く勤めることが信用の元だと考えられており、1度会社を辞めたら条件の悪い会社にしか勤められない、転職即ち人格を否定されるという時代でした。そのため、私が辛いからと言って転職すれば、田舎にいる両親に心配をかけてしまう。また、もし別の会社に行ったとしても、結局そこでも同じような問題が起きるものなのです。もう1つは、疎開中に自分よりも過酷な人生を送っている人たちをたくさん見てきたこと。
 ですから、とにかく耐えるより他に仕方がない。いつまでもこの不条理・不合理・不都合が続くわけではない。いや、それ以上に自分が努力をして1つひとつ解決していくのだと心に留めて、掃除をやり続けました。
 すると、どうでしょう。私が入社した当初は、お店に来るお客さんも粗暴な人たちが多くいました。それが3年掃除を続けた時から、次第に高級車に乗る裕福で上品な方々が来てくださるようになりました。やがて森繁久彌さんや三船敏郎さん、美空ひばりさんなど、有名な俳優、歌手からもご愛顧いただくようになりました。お店を綺麗にしたことによって、お店の雰囲気も変わり、明らかに客層も変わってきたのです。

プロフィール

鍵山秀三郎

かぎやま・ひでさぶろう―昭和8年東京生まれ。27年疎開先の岐阜県立東濃高等学校卒業。28年デトロイト商会入社。36年ローヤルを創業し社長に就任。平成9年社名をイエローハットに変更。10年同社相談役となり、22年退職。創業以来続けている掃除に多くの人が共鳴し、近年は掃除運動が国内外に広がっている。著書に『凡事徹底』『鍵山秀三郎 人生をひらく100の金言』(ともに致知出版社)など多数。


2018年9月1日 発行/ 10 月号

特集 人生の法則

バックナンバーについて

致知バックナンバー

バックナンバーは、定期購読をご契約の方のみ
1冊からお求めいただけます

過去の「致知」の記事をお求めの方は、定期購読のお申込みをお願いいたします。1年間の定期購読をお申込みの後、バックナンバーのお申込み方法をご案内させていただきます。なおバックナンバーは在庫分のみの販売となります。

定期購読のお申込み

『致知』は書店ではお求めになれません。

電話でのお申込み

03-3796-2111 (代表)

受付時間 : 9:00~17:30(平日)

お支払い方法 : 振込用紙・クレジットカード

FAXでのお申込み

03-3796-2108

お支払い方法 : 振込用紙払い

閉じる