鈴木大拙が残した言葉 大熊 玄(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科 准教授) 蓮沼直應(臨済宗円覚寺派伝宗庵徒弟)

日本の禅文化の伝承者として世界に名高い鈴木大拙。その著作に綴られた言葉はいまも輝きを失うことなく、私たちに生きる知恵を授けてくれる。著書を通じて大拙の言葉を易しく繙いてきた大熊 玄氏と、20代の頃より大拙の思想研究に打ち込んできた蓮沼直應氏に、大拙の魅力と、残された言葉から学んだことを語り合っていただいた。

いま大拙に学ぶことの意義は、大拙の言葉を通じて世界の中で日本人はどうあるべきか、いま一度考えていくところにあると思うんです

大熊 玄
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科 准教授

 日本がすべての難民を受け入れるのかって言ったら、受け入れられませんよね。でも、受け入れられないからやらないというのではなくて、受け入れられないけど何とかできないかと知恵を絞り、努力することはできる。
 いま大拙に学ぶことの意義は、大拙の言葉を通じて世界の中で日本人はどうあるべきか、いま一度考えていくところにあると私は思うんです。

必ずしも到達できないにしても、周りの人と手を取り合ってそういう世界を目指していくことが尊いのではないかと思っています

蓮沼直應
臨済宗円覚寺派伝宗庵徒弟

 霊性というのは必ずしも自分だけが苦しみから抜け出して救われるということではなくて、周りにいる人たちと調和しながら生きていける世界だと私は思います。 
  繋がりを自覚してその繋がりを生かしていくこと。周りの人も生きて、自分も活き活きと生きる世界を目指していくこと。必ずしも到達できないにしても、周りの人と手を取り合ってそういう世界を目指していくことが尊いのではないかと思っています。

プロフィール

大熊 玄

おおくま・げん─昭和47年千葉県生まれ。立命館大学史学科卒業。金沢大学大学院文学研究科修士課程修了。同大学院社会環境科学研究科(博士後期)満期退学。インド・プネー大学留学を経て、石川県西田幾多郎記念哲学館専門員、副館長を歴任。平成27年より立教大学文学部大学院21世紀社会デザイン研究科准教授。著書に『鈴木大拙の言葉』(朝文社)『はじめての大拙』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『善とは何か:西田幾多郎「善の研究」講義』(新泉社)など。

蓮沼直應

はすぬま・ちょくよう─昭和60年東京都生まれ。平成7年向嶽寺派管長宮本大峰老師に就き得度、南禅寺派興慶寺徒弟となる。20年筑波大学第一学群人文学類卒業。26年筑波大学大学院一貫制博士課程哲学・思想専攻修了。円覚寺派専門道場に掛搭。横田南嶺老師の下で修行。現在、伝宗庵徒弟。博士(文学)。著書に『鈴木大拙 その思想構造』(春秋社)。


編集後記

生誕から150年経ってなお輝きを失わず、いまを生きる私たちに示唆を与え続ける鈴木大拙の言葉。立教大学大学院准教授の大熊玄さんと、臨済宗円覚寺派伝宗庵徒弟の蓮沼直應さんには、各々が心に刻んできた大拙の名言をご紹介いただきながら、そこから学ぶべきものについて縦横に語り合っていただきました。

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