逆境が経営を大きく進化させてきた 河合利樹(東京エレクトロン社長)

半導体製造装置大手の東京エレクトロンが急成長を続けている。2015年、同社は世界最大手の米企業との統合が白紙になるという事態に直面、産業界に大きな衝撃を与えた。その逆境の中、社の舵取りを担うことになったのが社長の河合利樹氏である。新生東京エレクトロンとして、業績を急伸させてきた河合氏に、これまでの足跡や経営者としての心構え、志についてお聞きした。

「勇猛精進」というのが私の座右の銘です。私たちの仕事に置き換えると、世界最先端の技術で世の中にないものをつくり出していく、ということです

河合利樹
東京エレクトロン社長

煙の粒子の20分の1の大きさの半導体を実現すること一つを取り上げても、ハードルは高く、その分、実現したものは、大きな価値になります。また私自身の人生で言えば、若い頃は半導体の専門知識に乏しかった分、半導体製造装置を売ることに執念を燃やしてコミュニケーション力を磨いてきました。いまはその努力を当社に関わる人たちのハピネスを追求していくほうに向けているんです。

プロフィール

河合利樹

かわい・としき――昭和38年大阪府生まれ。明治大学経営学部卒業後、東京エレクトロンに入社。平成22年執行役員、27年代表取締役副社長兼COO、28年代表取締役社長兼CEOに就任。


編集後記

米大手との統合が白紙になった後、経営の舵取りを任された東京エレクトロン社長の河合利樹さんに、世界屈指の半導体製造装置メーカーとしての展望を語っていただきました。自社の強みを生かし、社員との対話を何よりも重視する姿勢が新たな成長に繋がったと思わずにはいられません。

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