こうして古典力を磨いてきた 竹村亞希子(易経研究家) 安岡定子(こども論語塾講師)

竹村亞希子さんと安岡定子さんは、ともにその内容の深さと分かりやすさで定評がある古典指導の第一人者である。お二人はこれまでどのように古典力を磨き、またそれをどう伝えようとされているのだろうか。古典の魅力や学び方などを交えながらお話し合いいただいた。

私は古典を学ぶ楽しみは、自分の思い込みが外れて楽になり、自由な世界観が広がるところにあると思っているんです

竹村亞希子
易経研究家

『易経』を学んだ方の中には「怖いことがなくなった」とおっしゃる方が少なくありません。当然、生きていると怖い現象は何度も起きてくるわけですが、「『易経』には時中という、その時にピッタリのことをすれば物事は亨る、という解決策が具体的に書かれている」「不遇な冬の時代は避けるべきものではなく、春を迎えるための準備期間」と前向きに捉えることができるようになるんですね。

祖父・安岡正篤は決して私たちを子供扱いしませんでした

安岡定子
こども論語塾講師

孫の私にも「定子さん」「あなたは」という呼び方をしていました。私が子供たちに人格ある一人の人間として接しているのもそういう影響があるのかもしれません。私はなぜか中学生の頃から漢文などの古典は好きでした。あまり古典に抵抗を感じなかったのは祖父が話す内容に古典からの引用が多くて、それを幼い頃から言葉ではなく音として聞いていたことがあると思います。ちょうど、私が小さいお子さんと素読をしながら、音の世界で楽しんでもらっているのと同じですね。

プロフィール

竹村亞希子

たけむら・あきこ――昭和24年愛知県生まれ。東洋文化振興会相談役。中国古典『易経』を占いでなく古代の叡智の書として分かりやすく紹介。易経全文を読むのに15年をかけるNHK文化センター名古屋教室「易経」入門講座は22年目に入る。著書に『人生に生かす易経』『易経一日一言』(編著)、共著に『こどものための易経』(いずれも致知出版社)『易経 陽の巻・陰の巻』(新泉社)などがある。

安岡定子

やすおか・さだこ――昭和35年東京都生まれ。漢学者・安岡正篤師の孫。二松學舍大学文学部中国文学科卒業。論語教室の第一人者として知られ、子供からビジネスマンまで全国各地で20以上の講座を受け持つ。主な著書に『楽しい論語塾』(致知出版社)『心を育てる こども論語塾』『実践・論語塾』(ポプラ社)『アスリート論語塾』(エクイネット)など。


編集後記

ともに古典の指導者として人気の高い易経研究家の竹村亞希子さんと、こども論語塾講師の安岡定子さんにご対談いただきました。難しいイメージがある中国古典をお二人はどのように伝えているのでしょうか。数々のエピソードから古典を学ぶ喜びや楽しさが伝わってきます。

2018年11月1日 発行/ 12 月号

特集 古典力入門

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