俳句は人生を楽しくする 夏井いつき(俳人)

いま、俳句が国民的なブームを呼んでいる。その火付け役となったのが俳人・夏井いつきさんである。俳句経験ゼロの素人の句を添削し、見事な句に変えてしまう様はテレビでもお馴染みだろう。その夏井さんに俳句の楽しみ方、味わい方などを語っていただいた。

俳句を続けていくと、個人的な不幸や病気、悲しみ、憎しみなどマイナスの要素のものが、すべて句材と思えるようになるのです

夏井いつき
俳人

俳人の世界ではよく「生憎という言葉はない」と言われます。
「きょうは生憎の雨で桜を見ることができない」。これは一般人の感覚ですが、俳人たちは「これで雨の桜の句を詠める」と考えます。雲に隠れて仲秋の名月が見えない時には「無月を楽しむ」、雨が降ったら「雨月を楽しむ」と捉えます。これは日本人ならではの精神であり、俳人の心根にあるものなのかもしれません。
その精神で俳句を続けていくと、個人的な不幸や病気、悲しみ、憎しみなどマイナスの要素のものが、すべて句材と思えるようになるのです。

プロフィール

夏井いつき

なつい・いつき――昭和32年愛媛県生まれ。8年間の中学校国語教諭を経て、俳人へと転身。俳句集団「いつき組」組長。平成27年「俳都松山大使」に就任。『プレバト!!』の俳句コーナーをはじめ多くのメディアに出演。著書に『世界一わかりやすい俳句の授業』(PHP研究所)『寝る前に読む一句、二句』(ワニブックス)など多数。


編集後記

辛口の添削でテレビでもお馴染みの俳人・夏井いつきさん。松山の地で俳人として生き抜いてきたその一途一心な姿に、知られざる一面が見えてきます。

2018年11月1日 発行/ 12 月号

特集 古典力入門

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