東山魁夷の歩んだ道 野地耕一郎(公益財団法人 泉屋博古館 分館長)

日本画の新たな地平を切り開いた巨匠・東山魁夷。自然が湛える豊かな生気を、独自の作風で描き出した風景画の数々は、いまもなお人々の心を魅了して止まない。その生前に学芸員として交流を重ねた野地耕一郎氏に、巨匠の横顔と、作品に込められた思いについてお話しいただいた。

何事も究めていこうとする東山の根底には、自分は絵描きである前に人間であり、よい絵を描くためにはよい人間でなければならないという思いがあった

野地耕一郎
(公益財団法人 泉屋博古館 分館長)

 この思いのもとに自分という人間をどこまでも高め続けた東山は、まさに日本画の求道者であった。自分を納得させるためのこだわりを貫く画家は多いが、東山のこだわりは、人々の共感を集めたいという思いからくるものであった。
 自分の心を捉えた風景を、一人でも多くの人々のもとに届けたい。一人の小さな個性の枠を越え、誰にも通ずる普遍的個性に訴えかけたからこそ、東山の絵は人々の心を惹きつけて止まないのだと私は思うのである。

プロフィール

野地耕一郎

のじ・こういちろう――昭和33年神奈川県生まれ。成城大学卒業。美学美術史専攻。58年より山種美術館の学芸員として勤務。その後、練馬区立美術館学芸員、主任学芸員を経て、平成25年泉屋博古館学芸課長。現在同館分館長。


編集後記

幻想的かつ郷愁に満ちた作風で、いまも見る者の心を魅了し続ける日本画の巨匠・東山魁夷。泉屋博古館分館長の野地耕一郎さんに、巨匠の横顔と作品に込めた思いについて解説していただきました。

2019年1月1日 発行/ 2 月号

特集 気韻生動

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