5 月号ピックアップ記事 /二十代をどう生きるか
困難に負けないスピリットを養え 鈴木与平(鈴与グループ代表)

江戸時代後期に廻船問屋として創業して220年余、鈴与株式会社をリーディングカンパニーとして約140社を擁し、隆々たる発展を遂げてきた鈴与グループ。代表を務める鈴木与平氏に、経営者としての礎を築いた20代を振り返っていただいた。
【写真=パリ駐在員時代、長女と共に】

鈴与グループにはこれまで脈々と息づいてきた「共生」という言葉があります。
その基本的な考え方は「一つの個を大事にし、その個が真の自立を果たす中から、他との共生が生まれてくる」というものです
鈴木与平
鈴与グループ代表
自分がどのような20代を歩んできたか。愛読する『致知』から取材を依頼され改めて考えてみましたが、とてもひと言で言い表すことはできません。とにかく無我夢中で駆け抜けたあの頃を、少しずつ振り返ってみたいと思います。
初代の鈴木与平が江戸時代後期の享和元(1801)年、現在の静岡県に位置する清水湊で始めた廻船問屋に端を発する鈴与の家に、私は昭和16(1941)年に生を享けました。創業から220年余を経た現在、鈴与は物流事業を中核に約140社を擁するコングロマリットを形成しています。
子供の頃から「おまえは後継ぎだ」と言われて育ちましたが、自分の運命が他人に決められたような気がして随分反発を覚えたものです。その思いは勉学へと向かい、慶應義塾大学の経済学部へ進学して社会思想史を学び、さらに東京大学経済学部3年次に学士入学して勉強を継続しました。私が在籍した東大の商学科は、400人が受験して受かったのは私一人という狭き門。自分で勝ち取った機会を生かすべく、毎日深夜、明け方まで勉強に打ち込んだものです。
就職先は日本興業銀行(現・みずほ銀行)を希望していました。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇後継ぎへの反発と就活での挫折
◇素晴らしい上司たちに恵まれて
◇「そろそろ決断する時期だぞ」
◇次代に何を残すか
プロフィール
鈴木与平
すずき・よへい――昭和16年静岡県生まれ。40年慶應義塾大学経済学部卒業。42年東京大学経済学部卒業後、鈴与入社。日本郵船に出向し、ロンドンなどに駐在。49年常務、51年副社長を経て、52年社長に就任。平成26年会長。その傍ら、20年にフジドリームエアラインズ社長に就任。26年同社会長を務める。
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