果てなき挑戦心を抱いて 菅原義正(日本レーシングマネージメント会長) ジェローム・シュシャン(ゴディバ ジャパン社長)

弓道の神髄を経営に生かし、高級チョコレートメーカー・ゴディバ ジャパンの社長として、就任から5年間で売上高を2倍に伸ばしたジェローム・シュシャン氏。一方、世界一過酷なモータースポーツ競技といわれるダカール・ラリーで、世界最多連続出場33回、世界最多連続完走20回という、2つのギネス記録を持つ菅原義正氏。闘う世界は違えども、果てなき挑戦心を抱き、道を切り拓いてきたお二人の姿は共通している。33年前の運命的な出逢い、今日に至るまでの歩み、そこから掴んだ成功の条件とは――。

パッと気づいて行動する人は、心が入っているから、どんどん進化成長していく

菅原義正
日本レーシングマネージメント会長

「これは本来使ってはいけない言葉ですけど、僕はよく講演で、『開きめくらになるな』って言うんですよ。目は開いているけれど、周りが見えていない。そういう人になってはダメだと。
 廊下を歩いていてゴミが落ちていたら拾うとか、額が曲がっていたらきちんと直すとか、パッと気づいて行動する人は、心が入っているから、どんどん進化成長していく。そういう人と、下を向いてスマホをいじったり、いま流行りのポケモンGOばかりやって遊んでいるような人では、1日、2日じゃ何の差もありませんけれど、10年経ったら全然違う人になっていますよ。だから、一所懸命真剣に生きないとダメなんですよね」

「明るく、楽しく」と「一所懸命」、両方大事です

ジェローム・シュシャン
ゴディバ ジャパン社長

「むしろ私が社長に就任する前の3年間、既存店の売り上げや来客数は下がっていました。そういう中で、今年は15%増を目指そうと言ったところで、誰もついてこないと思うんですよ。だから、目標はプレッシャーにならないように、5%増の予算を立てる。けれど、新商品は何にするか、どこに出店するか、どんな社員研修をやるか、といった毎日毎日やることは一所懸命ベストを尽くす。これはいま日本の会社で一番足りないところだと思います。
『これやれ、あれやれ』と上から命令されてもやる気って出ないでしょう。私が社長に就任する前の3年間は、まさにそういう状態に陥りかけていました。予算を達成できなくて、社員のモチベーションが下がる。達成できないと、上の人は『もっとやれ』と命令する。これはよくないですよね。ですから、『明るく、楽しく』と『一所懸命』、両方大事です」

プロフィール

菅原義正

すがわら・よしまさ――昭和16年北海道生まれ。拓殖大学卒業。40年第1回モーターファン・コンバインドラリーに出場し、デビューを果たす。以後、国内のレースを中心に活躍する。44年日本レーシングマネージメント設立、社長に就任。58年パリ‐ダカール・ラリーに初出場し、平成20年世界最多連続出場(25回)がギネスに認定。その後も記録を更新し続け、28年に33回連続出場を達成した。世界最多連続完走20回のギネス記録も保持している。

ジェローム・シュシャン

Jereme Chouchan――1961年フランス生まれ。HEC Paris経営大学院卒業。1983年在学中に旅行で初来日したのを機に日本文化に興味を持ち、29歳で弓道を始める。フランス国立造幣局、ラコステ北アジアディレクター、LVMHグループ・ヘネシーのディレクター、リヤドロ ジャパン社長などを経て、2010年より現職。同年国際弓道連盟理事就任、2013年弓道錬士五段取得。著書に『ターゲット ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?』(高橋書店)がある。


編集後記

33年前、初めて来日したジェローム・シュシャンさんがヒッチハイクをしていたところに、偶然通りかかって車を止めたのが菅原義正さんでした。そんなお二人の運命的な出逢いと辿ってきた道のりから、結果を求めず無心で取り組むと信じられないような高みに押し上げられる、ということを感じずにはいられません。

2016年12月1日 発行/ 1 月号

特集 青雲の志

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