新時代に勝ち残る企業のあり方 髙田 明(ジャパネットたかた創業者/V・ファーレン長崎社長) 神田昌典(経営コンサルタント/アルマ・クリエイション社長)

AI、IoT、SNS……。次々と巻き起こる技術革新によって、時代は目まぐるしく変化している。その中で我われはいかにして機を活かし、成長を遂げていけばよいのか。ジャパネットたかたを業界トップクラスの企業に育て上げ、サッカークラブ「Ⅴ・ファーレン長崎」の社長就任から僅か半年でJ1昇格へと導いた髙田明氏と、先進的な手法を駆使して数々の企業の未来を開き、日本のトップマーケターにも選出された神田昌典氏が語り合う「新時代に勝ち残る企業のあり方」とは――。

仕事を通じて人間性をどんどん磨いていく人。人間力を高めていかないと絶対に一流にはなれません

髙田 明
ジャパネットたかた創業者/V・ファーレン長崎社長

「社員には何も伝えていないんです。ただ自分一人では全部できないので、カメラを握っていた社員やキューを出していた社員に『喋ってみる?』っていう感じでやってきました。私に少し喋り方が似ているのは、やっぱり5年、10年と見ているうちに自然と学習しているのだと思います。
 基本的に私がMCを選ぶ時は、その人の伝える力よりも人間性を重視しています。うまく喋れなくてもいい。自然体で自分の気持ちを表現できる人。そして、仕事を通じて人間性をどんどん磨いていく人。人間力を高めていかないと絶対に一流にはなれません」

いまやらなきゃいけないことを一所懸命やり続けていけば、明日は変わってくるし、アイデアも出てくる

神田昌典
経営コンサルタント/アルマ・クリエイション社長

「ぶれないミッションがどういうところに見られるかというと、あるラグビーの監督がおっしゃっていたんですけど、どちらのチームが勝つかは試合が始まる前、ミーティングしている風景を見るとほぼ分かる。勝つチームは小さく固い円を描いて選手が集まっている。それに対して負けるチームはいびつな分散した輪をつくると。
 髙田社長がおっしゃる志がぶれない会社というのは、挨拶もきちんとできるし、会議でも飲み会でも自然と一つにまとまって、小さく固い円をつくれる」

プロフィール

髙田 明

たかた・あきら――昭和23年長崎県生まれ。46年大阪経済大学卒業後、阪村機械製作所に入社し、海外勤務を経験。49年家業の写真店「㈲カメラのたかた」に入り、61年分離独立して「㈱たかた」を設立、社長となる。平成11年社名を「㈱ジャパネットたかた」に変更。27年社長を退任し、「㈱A and Live」を設立。29年4月サッカーJ2のV・ファーレン長崎の社長に就任し、同年11月J1昇格へと導く。著書に『伝えることから始めよう』(東洋経済新報社)『90秒にかけた男』(日本経済新聞出版社)。

神田昌典

かんだ・まさのり――昭和39年埼玉県生まれ。上智大学外国語学部卒業。大学3年次に外交官試験に合格し、4年次より外務省勤務。その後、ニューヨーク大学経営学修士及びペンシルバニア大学ウォーオンスクール経営学修士(MBA)取得。コンサルティング会社を経て、平成7年米国ワールプール社日本代表に就任。10年経営コンサルタントとして独立。現在アルマ・クリエイション社長。著書に『あなたの会社が最速で変わる7つの戦略』(フォレスト出版)『都合のいい読書術』(PHPビジネス新書)など多数。


編集後記

ジャパネットたかた創業者の髙田明さんと経営コンサルタントの神田昌典さんには技術革新時代における企業のあり方を語り合っていただきました。変化に対応するのではなく変化をつくり出す、ユーザーの幸福を探究する等々、多くの実績に裏打ちされた経営のヒントは示唆に富んでいます。

2018年1月1日 発行/ 2 月号

特集 活機応変

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