11 月号ピックアップ記事 /対談
我ら一剣を持してこの道を歩む 吉田博一(エリーパワー社長) 北尾吉孝(SBIホールディングス社長)

69歳で起業。今後のエネルギー問題のカギを握るリチウムイオン電池の開発に、80歳のいまもなお情熱を燃やす吉田博一氏。その吉田氏を支援し、自身も200社超のグループを擁する起業家として金融界に新たな地平を開き続ける北尾吉孝氏。それぞれの道で一剣を持して歩んできたお二人に、事業に懸ける思い、人生に対する信条を語り合っていただいた。

死に物狂いで頑張っていれば、世の中は必ずついてくるし、人様も応援してくれる
吉田博一
エリーパワー社長
「私どもの一剣は電池ですが、北尾さんもおっしゃるとおり、その一剣は邪剣ではなく、正剣でなければなりません。社会のため、人類のためという思いに基づいて歩んでいくことが大事だと思うんです。それをどうしてもやり遂げようと死に物狂いで頑張っていれば、世の中は必ずついてくるし、それが正しいことであれば、人様も応援してくれると信じています」

世のため、人のために役立つ
という姿勢でやっていれば、
自ずと天は守ってくれる
北尾吉孝
SBIホールディングス社長
「やはり正しいことを、正しいやり方で、キチッとやっていくことが大事ですね。ともすれば私利私欲に負けてしまう人間の弱い心に打ち克って、この姿勢を貫いていくことが、一番大事な経営者の心得ではないでしょうか」
プロフィール
吉田博一
よしだ・ひろいち――昭和12年東京生まれ。36年慶應義塾大学法学部卒業。住友銀行入行。取締役、副頭取を経て、平成9年住銀リース(現・三井住友ファイナンス&リース)社長に就任。13年同社会長兼社長。14年同社特別顧問。15年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授。18年エリーパワーを創業し社長に就任。現在に至る。
北尾吉孝
きたお・よしたか――昭和26年兵庫県生まれ。49年慶應義塾大学経済学部卒業。野村證券入社。53年英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。ワッサースタイン・ペレラ・インターナショナル社常務取締役、野村企業情報取締役、野村證券事業法人三部長などを経て、平成7年ソフトバンク常務取締役。平成11年ソフトバンク・インベストメント(現・SBIホールディングス)社長に就任。著書に『何のために働くのか』(致知出版社)など多数。
編集後記
今後の環境・エネルギー問題に大きなインパクトをもたらすリチウムイオン電池の開発に、80歳のいまも情熱を燃やすエリーパワー社長の吉田博一さん。200社強ものグループを率い、金融界をリードするSBIホールディングス社長の北尾吉孝さん。ともに一剣を持して挑戦を続ける起業家の気概が溢れるトップ対談となりました。

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