自分の背中を見せることが一番の教育 新浪博士(東京女子医科大学教授 心臓外科医)

父・新浪勇治は典型的な昭和の親父だった――。そう語るのは、サントリーHD社長・新浪剛史氏を兄に持ち、心臓外科医として国内で屈指の手術数を誇る、新浪博士氏だ。寡黙で勤勉だったという父の背中から息子は何を学んだのか。思い出に残る親子の触れ合いを振り返っていただきつつ、そこで培われたご自身のルーツについて語っていただいた。

自分のルーツを掘り下げていくと、やっぱり親父あっての俺たち兄弟だなっていう気持ちになってきました

新浪博士
東京女子医科大学教授 心臓外科医

親父は僕が小さい頃に飲んだくれて帰ってくることがよくあって、僕はそれがすごく嫌いでした。兄もそれが嫌いで、僕に酔っ払った親父の面倒を押しつけるんですよ。それもあって僕ら兄弟はあんまり酒が好きじゃないんです。ただ、大人になってからその当時のことを聞く機会がありましてね。港で働く人たちって結構荒っぽい人たちが多いじゃないですか。親父はそういう人たちを束ねるために、お酒を酌み交わしていたそうで、そういう話を聞くと、あぁなるほどなと。親父と僕とでは全く違う世界で仕事をしていますけど、自分も家庭を持つ立場になってみると、親父もいまの自分と同じように頑張っていたんだなっていう気がします。

プロフィール

新浪博士

にいなみ・ひろし  昭和37年神奈川県生まれ。群馬大学医学部卒業後、東京女子医科大学大学院修了。アメリカのウェインステート大学、オーストラリアのアルフレッドホスピタル、ロイヤルノースショアホスピタルに留学。帰国後、東京女子医科大学附属第二病院(現・東医療センター)、順天堂大学、埼玉医科大学国際医療センターを経て、平成29年東京女子医科大学心臓血管外科主任教授に就任。著書に『数こそ質なり』(角川書店)がある。


編集後記

寡黙で勤勉だったという父の背中から学ばれたことを、国内で屈指の手術数を誇る心臓外科医の新浪博士さんが語ります。

2018年5月1日 発行/ 6 月号

特集 父と子

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