7 月号ピックアップ記事 /インタビュー
幾つになっても自分を成長させることで人生の花が咲く 薄井シンシア(日本コカ・コーラ 東京2020年オリンピックホスピタリティ責任者)
専業主婦の仕事を「キャリア」と位置づけ、家事・育児に専念する17年間を過ごした薄井シンシアさん。子供の大学進学を機に時給制のアルバイトを始め、数年後には一流ホテル営業開発担当副支配人という重職を務めた驚くべき経歴の持ち主である。「成長」をモットーに育児・仕事の双方で自らの目標を達成された薄井さんに、仕事の心得、幸せを掴む思考法をお話しいただいた。
自分は次の世代の人たちに憧れられる存在になっているか、その問い掛けが私の原動力です
薄井シンシア
日本コカ・コーラ
東京2020年オリンピックホスピタリティ責任者
私は誇りを持って家事や育児をしてきましたから、実際に仕事を始めると、マネジメントしたりコンセンサスを得る場面など、専業主婦の仕事が活かせることが多々あったんです。
でも、2011年に日本に帰国して、仕事を探す時は非常に苦労しました。その時私は52歳。タイのカフェテリアでは実績を積んでいたにもかかわらず、当時の日本では「52歳の女性」というだけでほとんどの企業が門前払い。必死に見つけたのが時給1,300円の会員制クラブの電話受付のアルバイトでした。
その次の壁は自分の中にある壁、つまりプライドです。「レジ打ちや時給1,300円のアルバイトなんて嫌だ」と意地やプライドを持っていたら、仕事復帰はできなかったと思います。私は幸いにも仕事に貴賤はないと思っていたので、実際にコピーを取ってホチキス止めする仕事を依頼された際にも、嫌がらずに、いかに綺麗に早く仕上げられるかを自分の中で競っていました。
仕事に就いたばかりの頃は辛辣な言葉を掛けられたこともありましたが、最初の3か月は悔しさをバネに、必死で仕事の基本をマスターしましたね。
プロフィール
薄井シンシア
うすい・しんしあ——昭和34年フィリピンの華僑の家に生まれ、国費留学生として20歳で来日。東京外国語大学卒業後、日本人と結婚し日本国籍を取得。平成19年48歳の時、娘の大学進学を機に仕事を再開。アルバイトを経て、ANAインターコンチネンタルホテル東京に入社。勤続3年で営業開発担当副支配人になる。29年シャングリ・ラ ホテル東京に勤務後、30年1月より現職。29年から無償でワリス戦略顧問を務める。著書に『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』(KADOKAWA)がある。
編集後記
日本コカ・コーラホスピタリティ責任者の薄井シンシアさんの歩みは、育児後の再就職という問題に示唆を与えてくれます。
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