命を知り、命を立つ 鍵山秀三郎(日本を美しくする会相談役) 佐藤しのぶ(声楽家)

イエローハット創業者であり、「掃除の神様」の異名を取る鍵山秀三郎氏。日本を代表するオペラ歌手として、世界各国の舞台でプリマドンナを務める佐藤しのぶさん。二人はそれぞれ、いかにして己の使命に気づき、その使命のもとに一道を切り拓いてこられたのか。知命と立命の軌跡、それにまつわる恩師との出逢いや教え、逆境に処していく心構えなどについて語り合っていただいた。

一人ひとりが自分の力の及ぶ限り、小さな善行を積み重ねる。それが日本の未来をよくしていく

鍵山秀三郎
日本を美しくする会相談役

「いまの日本人は、自分にとって都合や条件がいいことを幸せだと勘違いしています。これは大いなる誤りで、むしろ目先の好都合は後々、不都合に変わることが多いんです。目先の好都合を求める生き方を変えない限り、絶対に幸せにはなれない。そのことを真に理解してほしいですね。
 たとえいまが不合理であっても、避けたり逃げたりせず、耐え忍んで乗り越えていく。それが将来の幸せを招き、人生の新しい道を開いていく。そう確信しています」

自分のためではなく、誰かの役に立てる、誰かが喜んでくださる、そういう気持ちを抱いた時、自分の持っている力以上のものを発揮できる

佐藤しのぶ
声楽家

「もう逆境ばかりです(笑)。一難去ってまた一難という感じで、本当にピンチの連続でした。一番しんどいのは声が出ない時ですね。私たちは公演でマイクを使わずに歌いますから、一切嘘がないというか、ごまかせないんです。
 最高の歌声をお客様に聴いていただきたい、自己ベストを更新したいと思って、そのために毎日七時間くらい稽古を積み、体調も整えていくのですが、それでもやはり舞台当日、声の調子が悪い時がある。できることは全部やっていますから、あとはもう祈るしかありません。ひと舞台、ひと舞台、毎回必死で歌っています」

プロフィール

鍵山秀三郎

かぎやま・ひでさぶろう――昭和8年東京生まれ。27年疎開先の岐阜県立東濃高等学校卒業。28年デトロイト商会入社。36年ローヤルを創業し社長に就任。平成9年社名をイエローハットに変更。10年同社相談役となり、22年退職。創業以来続けている掃除に多くの人が共鳴し、近年は掃除運動が国内外に広がっている。著書に『凡事徹底』『あとからくる君たちへ伝えたいこと』など多数。最新刊に『鍵山秀三郎 人生をひらく100の金言』(いずれも致知出版社)がある。

佐藤しのぶ

さとう・しのぶ――東京都生まれ。文化庁オペラ研修所を最年少、首席で卒業。芸術家在外研修員としてミラノへ留学。ウィーン国立歌劇場での「蝶々夫人」を皮切りに欧州、豪州、アメリカでのオペラ及び著名な指揮者、オーケストラとの共演多数。文化放送音楽賞、都民文化栄誉章等を受賞。CD・書籍の収益は世界の恵まれない子供たちへの寄付や、現地の井戸や学校教室設立、医療等に役立て、現在は東日本大震災の義援金として寄付を行っている。


編集後記

2年3か月前に脳梗塞に倒れてもなお、日本をよくするために粉骨砕身されている鍵山秀三郎さん。その鍵山さんを尊敬し、日本の唱歌・童謡の再興に力を注ぐオペラ歌手の佐藤しのぶさん。お二人に共通したメッセージは、「誰かのためにという思いを持って小さな行動を積み重ねると道は開けていく」ことだと感じました。

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