『致知』に寄せられたお客様の声

『致知』を読んでのうれしいお便りがたくさん届いています。 ご感想の一部を紹介いたします。

  • 石川県 社長 辻幸雄75歳
     「辻さん、『致知』っていう書店では扱っていない非常によい内容の月刊誌があるんだけど、よかったら見本誌を一冊送りますよ」  2006年6月、地元で知り合った方に、こんな言葉をかけられたのが『致知』との最初の出逢いでした。 この年は、私にとって人生の大きな転機だったと言えます。3月にプリント基板実装の会社を立ち上げ、大海に乗り出したばかりでした。そうした時期とも重なったからでしょう。様々な人生体験が紹介された『致知』は、次第に私の心の支え、経営の指針というべき存在になっていったのです。 しかし、現実の経営は逆境の連続でした。最大の試練は創業から2年後に直面したリーマン・ショックです。当社も売り上げが激減し、倒産の危機に瀕しました。 それでも私は、「ここで会社をやめれば、これまでの学びも努力も水泡に帰してしまう、社員も路頭に迷ってしまう。絶対に自分はやめない、諦めない」と何とか危機を乗り切ることができたのです。何があっても、とにかく諦めない、挫けない、やり続ける――この姿勢も『致知』から学んだことです。 創業から14年。従業員は90名にまで増え、いまでは『致知』をテキストとした社内木鶏会も実施しています。「御社は活気がありますね。一度、朝礼の様子を見学させてください」と近隣の会社から嬉しい声もいただくようになりました。
    神奈川県 キユーピー元副社長 上原隆雄様(84歳)
    私が『致知』を読み始めたのは、かれこれ30年以上前のことです。マヨネーズやドレッシングで知られるキユーピーの専務時代でした。  その頃、顧問を務めてくださっていた三菱商事の後藤潔さんから「いい月刊誌があるから」と薦められ、それ以来、84歳になる現在まで愛読しています。「この人は」と思う人には一年間の購読をプレゼントし、喜んでいただいています。 『致知』を読み始めたのには、一つの理由があります。創業者・中島董一郎(一八八三~一九七三年)の思いを、社員に分かる形で伝え、かつそれを残しておきたいと思ったのです。中島の清廉潔白な人生や経営に対する考え方と『致知』の説く教えはどこか通じ合うものがあり、『致知』に登場する経営者の言葉や古典の教えを交えながら伝えれば、社員はより深く理解してくれるのではないか、というのが私の思いでした。  大正時代、若き中島は留学先のアメリカでマヨネーズと出合います。日本人の栄養不足の現状を鑑み、「マヨネーズによって日本人の体を元気にしたい」という志を立て、それを生涯貫きました。  その中島は最晩年、「世の中というものは存外公平である」という言葉を残しています。  ある時は正直者が馬鹿を見て、ずるい者が得をしたり、横着な人が仕合わせであったりするように見える場合が往々にしてあるが、永い目で見ると誠実な人、道義を重んじる人が認められるというのが世の中である、というのです。実際、中島は「こんな人間がいるのだろうか」と思うくらい頑なに道義を大切にする実直な人でもありました。  ・・・とはいいつつも、創業者が他界して随分と時が流れ、その謦咳に接した社員が減るにつれて、創業の精神が少しずつ薄れていったことも確かでした。『致知』から学んだ先哲の言葉や数々の実体験、私の拙い体験を交えながら、創業者の思いを後世に伝えておくことは、中島に厳しく叱られながら育てられた最後の世代としての大切な努めだと思ったのです。 『致知』を読むことによって、これからも自分を磨き、私を育ててくれた創業者の思いに一歩でも近づきたいと思うこの頃です。
    私の『致知』との出会いは、妻の父親から「これを読みなさい。必ず役に立つから」とすすめられ、まだ数か月です。これから一つ一つかみしめつつ、しっかりと読んで次世代に伝えるのも役目だと私は思っております。 家族で共有しながらしっかりと学んでまいります。この出会いを大切にしてまいります。ありがとうございました。ちなみに父親は千葉に住んでおります内田寛です。 埼玉県 山田康博 様
    千葉県 元小・中学校校長 土屋秀宇さん(75歳)
    私が『致知』の購読を始めたのは平成9年。かれこれ20年以上になりますが、人間学への目覚めといえば、中学生の頃に遡ります。佐藤哲夫先生という陸軍士官学校出身の先生との出逢いが、私の一生を決めることになったのでした。  東西の古典に通暁され、自ら和歌や漢詩を詠む佐藤先生は、地域の若者を集めた「朋友の集い」という勉強会をご自宅で開かれていて、私も高校生の頃から参加するようになりました。倉田百三や影山正治、安岡正篤、道元、『古事記』『万葉集』などの学びにより、若くして日本精神の扉を開かれたことは、私の人生にとって、どれほど大きな財産になったことでしょう。  昭和47年、船橋市内の中学校で学年主任を任された時、私は佐藤先生に倣い、若い教師たちを月に一回自宅に呼んで勉強会を開くようになりました。彼等が教育の対象が「人間」であるにもかかわらず、肝腎の人間を学ばずにいることに、「これではいかん」と思ったからです。  この勉強会は私の入院などによって、やむなく中断した時期もありましたが、「まほろばの会」として今日まで約半世紀の間存続しています。一回の参加者は平均して10名。時間を忘れて夜遅くまで教育の未来や教師のあり方について論じ合ったり、難解な道元の『正法眼蔵』を13年かけて読み解いたり、懐かしい思い出ばかりが蘇ってきます。 『致知』に出逢ったのは、そういう勉強会を続ける中でのことでした。人間学を学ぶ上で優れた教材がここにあると感じた私は勉強会の最初に『致知』を皆で輪読し、その上で私の教育観を伝えるようになっていきました。そして、次第に『致知』を読む教師が千人、一万人と増えれば、必ずこの日本の教育はよくなるという思いを強くするようになったのです。  平成15年、私が小学校校長を最後に、定年退職を迎えたこの年、私に学びたいという渡邉尚久君という熱意ある若い教師に出逢い、この『致知』への思いを伝えました。この言葉に反応した渡邉君は、『致知』を熱心に読み、周りの教師たちにも購読を勧めるようになりました。  その彼は、一年ほど前から致知教師木鶏会を立ち上げ、東京近郊の仲間とともに月一回の『致知』の学びを重ねています。こういう動きが若い教師の間から出てくることは誠に頼もしく、喜ばしい限りです。  私は佐藤先生に一歩でも近づきたいという思いで勉強会を開いてきましたが、まだまだ道半ばの感を禁じ得ません。しかし、一方で勉強会をとおして最高の学びを得ているのは、他ならぬ私自身であるという感慨を深くしています。 「一眼は遠く歴史の彼方を、そして一眼は脚下の実践へ」という森信三先生の言葉があります。人間学とともに日々の教育実践にも研鑽を積んでいく。『致知』に学びながら、そういう教師を一人でも多く育てていきたいと思っています。
    愛知県 愛東運輸常務 浜島崟欣さん(70歳)
    『致知』という月刊誌があることを知ったのは、10年前、入社20年の節目の年でした。密かに社内木鶏会(『致知』を活用した社内勉強会)を導入したいと考えていた当社社長の村山明子からの紹介でした。  長年、トラックの運転に携わってきた私は、文章を読むことも書くことも、また人前で話すことも大の苦手でした。 「難しそう」というのが『致知』の第一印象でしたが、何気なくある記事を読み進めているうちに、「自分たちがやってきたことは間違いなかった」というお墨つきをもらったような感覚を抱きました。  というのも、その頃、村山と私は「会社の発展は社員の頭数ではない。社員も商品も質が第一。よき人材が集結すれば、小さな会社でも必ず伸びる」という信念のもとで、人材教育に取り組んでいたからです。「ああ、『致知』は私と同じ考えの人たちが登場しているんだな」と合点し、熱心に愛読するようになりました。  村山と私は、社員と一緒に『致知』の感動を分かち合いたいと考え、リーダーミーティングの場を活用して10名ほどで社内木鶏会をスタート。しかし、10年前の当社はリーダーといえども、私と同様、文章を読まない、書かない、発言できない者ばかりでした。  それでも一年ほど経つと、そんな彼らにも変化が現れ始めました。A4の用紙に三分の一程度しか感想文を書けなかったのが、表面だけでは足りず裏面まで使ってビッシリ感想をしたためるなど驚くような成長を遂げていきました。  また、木鶏会が定着するにつれて社員の表情は明るくなり、積極的に挨拶ができるようになりました。一般に運送業界は社内での運転手同士の横の繋がりが希薄なものですが、当社の場合はコミュニケーションが盛んで、困っている運転手がいるとお互いに助け合う社風が育まれてきました。『致知』を読むことによって社の雰囲気は大きく変わりました。今年新社屋が完成し、新しい飛躍を皆で誓い合っています。  いままで知らなかった人間学の世界に触れるのは、私自身にとっても大きな喜びでした。誌面で読んだことは、実際に目と耳で触れたくなるものです。  森信三先生の人生に興味を抱いた私は、近くの半田市に森先生のお墓があると聞いて訪ねたことがあります。かつての私であれば森先生に興味を持つことはまずなかったでしょうし、ましてや菩提寺に詣でることなど考えもしなかったでしょう。気がつけば、私の中にも大きな変化が起きていたのです。 「人間力を磨く」。これは私が『致知』から学んだ最も大きなテーマです。『致知』を読みながら、自分の仕事のあり方や考え方が正しいかどうかを図る判断材料にしているのも、私なりの人間力の磨き方です。  
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