4 月号ピックアップ記事 /百年企業はどこが違うのか
創業327年 にんべん 髙津伊兵衛(にんべん社長) 藤間秋男(TOMAコンサルタンツグループ会長)

鰹節の老舗として、私たち日本人の食卓を長きにわたって支えてきた㈱にんべん。その歴史は、今年で実に327年になるという。十三代当主の髙津伊兵衛氏に、同社の歩みと自身の取り組みを伺い、時代の荒波を乗り越えて暖簾を守り抜く企業の条件を探った。

襲名によって、300年以上にもわたって歴代当主が守り続けてきた暖簾を、いまこの一時期お預かりしているという自覚が深まりました
髙津伊兵衛
にんべん社長
〈藤間〉
御社は鰹節とだしの老舗として長年親しまれてきましたが、「にんべん」という御社名も非常に印象的ですね。
〈髙津〉
ありがとうございます。初代髙津伊兵衛が伊勢の出身で、創業した時に故郷にちなんでお店の屋号を「伊勢屋」としました。そして、商号は伊勢屋と伊兵衛から「イ(にんべん)」を取り、商売堅実の意味を持つ曲尺の「 「(かね)」を合わせて「イ「(かねにんべん)」としました。これが次第に「にんべん」という愛称で親しまれるようになり、1948年に正式な社名にしたのです。
〈藤間〉
初代は、伊勢から江戸へ移って事業を始めたのですね。
〈髙津〉
はい。伊勢四日市の髙津家に二男として生まれ、12歳の時に江戸の日本橋に出てまいりました。年季奉公を経て、日本橋四日市土手蔵に戸板を並べて鰹節と干魚類の商いを始めたのが当社の創業になります。1699年、初代が20歳の時のことでした。
〈藤間〉
1699年というと、いつの時代になりますか。
〈髙津〉
元禄12年、江戸時代中期です。おかげさまで、今年創業327年を迎えます。
〈藤間〉
327年もの長きにわたって事業を続けてこられたのは大変な偉業ですよ。髙津社長で何代目になるのですか。
〈髙津〉
2020年に、初代から続く髙津伊兵衛の名を襲名して十三代当主になりました。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇老舗の暖簾を預かる自覚を胸に
◇勝負できない会社は行き詰まる
◇動乱の時代を乗り越えて
◇「商いを飽きるな。よいものを見る目を養え」
◇この国の味を支え さらに進化を続けていく

〈ホスト〉
藤間秋男(とうま・あきお)
TOMAコンサルタンツグループ会長
昭和27年東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。公認会計士税理士。明治23年創業の藤間司法書士事務所の末裔として、昭和57年藤間公認会計士税理士事務所を新規創業。230名の総合コンサルファームにTOMAグループを成長させ、平成29年より会長。著書に『中小企業の事業承継はじめに読む本』(すばる舎)『100年残したい日本の会社』(扶桑社)など多数。
プロフィール
髙津伊兵衛
たかつ・いへえ――昭和45年東京都生まれ。平成5年青山学院大学卒業。髙島屋を経て、8年にんべん入社。21年社長に就任。令和2年13代髙津伊兵衛を襲名。著書に『創業320年の鰹節専門店 「だし」再発見のブランド戦略』(PHP研究所)がある。
編集後記
事業承継コンサルタントとして百年続く企業づくりに取り組む藤間秋男氏が、百年企業の強さの秘密を探る本連載。第4回となる今回は、鰹節とだしの老舗として長年親しまれてきた「にんべん」の高津伊兵衛社長にご登場いただきました。327年の長きにわたって歴史を紡いできた背景には、日本の食文化を支えていくという信念、実直な鰹節・だしづくりがありました。

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