一心 清水 肇(ニュー・オータニ社長)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。
今回ご登場いただいたのは、開業60周年を迎えた日本の名門ホテル・ニューオータニを実に22年間、総支配人として取り仕切り、今年経営トップに抜擢された清水 肇(はじめ)社長です。もともとホテル業界に興味がなかった清水社長は、学生時代、渡米して偶然訪れたロサンゼルスで現地のホテルニューオータニのスタッフの応対に感動。入社後、抱いてきた志と現実のギャップに苦しみながら、着実に一流ホテルのサービスを体得していかれます。
尊敬されていた創業家の大谷和彦社長の急逝から約半年、いま胸に去来する思いとは――。

病院と法律事務所が困った人を幸せにするのに対し、様々なお祝い事を通じて幸せな人をさらに幸せにするのがホテルの使命です。

この使命を全うするために一番大事なことは、まず幸せを演出する社員が幸せであること

清水 肇
ニュー・オータニ社長

「ここは清水さん以外に思い浮かばない。ぜひ社長を引き受けてほしい」

創業家の方からご指名をいただいたのは、今年の2月4日。当社四代目社長・大谷和彦が、約ひと月前の1月7日に急逝したことを受けてのことでした。

当社61年の歴史の中でも、私のような創業家以外の人間が社長に就任するのは、初代・大谷米太郎の急逝を受けて1968年に二代目社長に就任した門脇季光以来のことでした。

私は、昨年4月まで22年間にわたり当社が運営するホテルニューオータニ(東京)の総支配人を務めてきました。健康が取り柄の私は、この間一日も病気で休むことなく皆勤を貫いてきました。

しかしながら、昨年は当ホテルの開業60周年、人間でいえば還暦の節目でもあり、いまこそ新しいニューオータニに生まれ変わるチャンスと考え、後継に仕事を引き継いだのです。

長年の重責から解放され、新しいことにチャレンジしようと思いを巡らせていた矢先、まさに寝耳に水とはこのことでした。
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~本記事の内容~
◇社員と心を一つにして
◇お客様に感動と感激を
◇お客様を幸せにするために一番大事なこと

プロフィール

清水 肇

しみず・はじめ――昭和30年東京都生まれ。獨協大学卒業、ホテルニューオータニ(現ニュー・オータニ)入社。マネージメントサービス部長、料飲部長などを経て、平成14年ホテルニューオータニ総支配人に就任。17年常務。令和7年社長に就任。


編集後記

皇居や政治の中枢である霞が関・永田町のほど近く、壮麗な日本庭園で知られるホテルニューオータニ東京。上質な客室はもちろん多種多様な施設、和洋中の名店やブランド店までが軒を連ねる一流ホテルです。これを22年間、東京総支配人として支え続けてきたのが清水肇社長です。現場で培った仕事観、経営者としての切なる思いに胸を打たれます。

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