9 月号ピックアップ記事 /致知随想
道徳的資本主義の追求 尾張伸行(インプルーブ社長)

顧客の利益を優先することで信頼を築き、結果的に自社の利益に繋げる「道徳的資本主義」を掲げ、右肩上がりに成長を続けている会社があります。大阪府大阪市に本社を置き、人材派遣業を中心に営むインプルーブです。社長の尾張伸行氏は設立以降、たとえ自社の経営危機に際しても自己犠牲を厭わず、顧客に真に寄り添った経営を貫いて信頼を積み重ねてきました。一見不合理に思える経営スタイルでありながら、年々成長を続ける秘訣とは何か。現在の経営に行き着いた背景も踏まえ、その信念に迫ります。

些細なことでも一度決めた約束は守る。時に自ら血を流してでも、言い訳をせずにやり遂げる。
そこに信頼が生まれ、その信頼こそが事業の発展の礎になると確信しています
尾張伸行
インプルーブ社長
「道徳」と「資本主義」。人材派遣業を17年営んできた我が社は、この一見相反する2つの軸を同時に追求することにこだわってきました。
現在の資本主義社会の原理はギブ&テイクであり、ギブだけでは当然、経営は成り立ちません。しかし、あくまでもギブ(利他、即ち自己犠牲)から始めること、つまり相手の利益を最優先にして動くことが、最終的にはテイク(自社の利益)にも繋がっていくというのが、私の実感であり信念です。
その道のりを端的に表した出来事が、先のコロナ禍です。
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プロフィール
尾張伸行
おわり・のぶゆき――昭和53年大阪府生まれ。高校卒業後、大手人材派遣会社を含む数社を経て、平成20年にインプルーブを設立。自社よりも顧客の利益を優先として経営を行う「道徳的資本主義」を掲げているのが特徴。自己犠牲を厭わず、顧客に真に寄り添った経営によって信頼を獲得し、右肩上がりに成長を続けている。
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