失敗は財産。一歩を踏み出す先に成長がある 吉田忠裕(YKK会長CEO)

ファスナー業界で世界トップブランドのYKK。創業者・吉田忠雄氏が徒手空拳から築き上げた会社を受け継ぎ、さらに発展させてきたのが、創業者の長男で現会長CEOの吉田忠裕氏である。世界73か国・地域に事業を展開し、従業員4万人を超えるグローバル企業の経営トップが語る自身の若き日の歩みと20代へ託す思い――。

“単純に乗せられて乗ってみる”ことが20代の時期には大事だと思います

吉田忠裕
YKK会長CEO

「『アメリカへ行け』幼い頃より父に度々言われていたこのひと言が、私の20代の人生を豊穣の時に導いた端緒と言っても過言ではありません。単純で素直な性格だったことに加え、当時のアメリカがキラキラと輝いて見えたこともあり、私は1969年、慶應義塾大学を卒業すると単身アメリカに渡りました。留学時代の顛末は後ほど詳しく述べることにしますが、その3年間の得難き学びと経験が後のビジネス人生に大いに役立ちました。
 かつて私がそうだったように、“単純に乗せられて乗ってみる”ことが20代の時期には大事だと思います。乗った後で、『思ったほどよくないな』とか『何か違うな』と感じれば、そこからまた軌道修正していけばよいでしょう。最も忌むべきは、変に利口になって、何も行動せずに分析や批判ばかりすること。そうではなくてまずはとにかく一歩を踏み出す。挑戦する。この姿勢の積み重ねの先に成長があり、素晴らしい人生があるのです」

プロフィール

吉田忠裕

よしだ・ただひろ――昭和22年富山県生まれ。44年慶應義塾大学法学部卒業。47年ノースウエスタン大学経営大学院(ケロッグ)でMBA取得、同年吉田工業(現・YKK)入社。60年副社長、平成2年YKKアーキテクチュラルプロダクツ(現・YKK AP)社長を兼任。5年YKK社長就任。14年ミッション経営大賞を受賞。23年より現職。著書に『YKKの流儀』(PHP研究所)など。


2018年4月1日 発行/ 5 月号

特集 利他に生きる

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