恩返しで開いた人生の扉 いとうまい子(俳優)

18歳から芸能活動を続けてきたいとうまい子氏はいま、研究者、経営者、そして大学教授等々、八面六臂の活躍で注目を集めている。華やかなデビューから一転、「地獄の10年間」と振り返る不遇の20代を乗り越えて、彼女はいかにして運命を切り開いてきたのだろうか。人生のターニングポイント、そして自身を挑戦へと突き動かす思いに迫った。

常に何かに興味を持つこと。それが次の挑戦に繋がると思います

いとうまい子
俳優

――いとうさんは芸能活動の傍ら、研究活動や会社経営など多方面で活躍されていますが、この度大学教授にも就任なさったそうですね。

〈いとう〉 
4月から東京の情報経営イノベーション専門職大学で授業を行っています。人生って分からないものですね。高校を出て大学へ進学した時は、芸能活動が忙し過ぎて一度も通えずに中退したんです。そんな私が大学の教壇に立っているんですから(笑)。

――大学では何を教えていらっしゃるのですか。

〈いとう〉 
「ヒューニング学」です。ヒューニングとは、ヒューマン(人間)のチューニングです。楽器にチューニングが必要なように、人間もチューニングされていなければ十分に能力を発揮することができません。自分に制限をかけているブレーキを外して、悩みから解放され、本来の能力を存分に発揮するために学んでいただきます。

一昨年に中村伊知哉学長から、ぜひ本学で教えてほしいとお声がけいただいたんですけど、私に人を教えることなんかできないと思ってお断りしました。でも去年またお声がけいただいて、何か私の役割があるのかもしれないと思って承ることにしたんです。

私はいま東京大学で分子構造の研究をしているので、最初はその分野の授業を想定していました。でも中村学長から、起業する人を育てる大学なので誰も教えていないものをお願いしたいと言われて、ヒューニング学の講義をすることにしたんです。ヒューニングを学問としてお教えするのは、私が初めてなんですよ。

――授業の手応えはいかがですか。

〈いとう〉 
最初は少しぎこちなかったんですけど、……(続きは本誌にて)

本記事の内容 ~全4ページ~
◇芸能活動の傍ら大学教授に就任
◇他人軸から自分軸へ
◇恩返しのため45歳で大学に挑戦
◇スクワット運動を促すロボットを開発
◇2度の領域変更を経て東京大学へ
◇興味を持つこと そして感謝すること

プロフィール

いとうまい子

昭和39年愛知県生まれ。57年第1回ミスマガジンでグランプリを獲得して芸能界入り。テレビや映画、舞台などに出演しながら、平成22年早稲田大学人間科学部eスクールへ入学。博士課程まで進み、現在は研究者、経営者としても活動中。令和7年情報経営イノベーション専門職大学教授に就任。


編集後記

取材は7月1日(火)、致知出版社にて行われました。お会いしてまず驚いたのは満60歳とは思えぬ若々しさ。終始満面の笑顔を浮かべながら、挑戦の軌跡をイキイキと話される姿が印象的でした。

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