人を育てる――愛があるなら叱りなさい 井村雅代(シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチ)

仕事も人生も、自分が投じたものしか返ってこない。リオオリンピックのシンクロ種目で日本に復活のメダルをもたらした井村雅代さんの活躍は、この真理を語って余りある。過去に選手を率いた9度のオリンピックで、すべてメダル獲得に成功してきた井村さん。その指導法は、巷に流布する〝鬼コーチ〟という言葉だけでは表しきれない。井村さんはいかに自身の仕事と人生に向き合ってきたのか。去る9月9日、「『致知』愛読者の集い全国大会in京都」における白熱のご講演をここに紹介する。

三流は道に流され、二流は道を選び、一流は道を創る

井村雅代
シンクロナイズドスイミング日本代表ヘッドコーチ

「頭の中にはいつも、一流のものを創りたいという思いがあります。三流の人は流行ばかりを追いかけます。二流の人は、新しい流行が来た、どちらがいいだろうと考えます。けれども一流は道を創るんです。
 三流は道に流され、二流は道を選び、一流は道を創る。何かの真似ではなく、新しいものを世界に発信し続けたいと願っています。前へ行けば、前が見える。その前へ行けば、まだ前があることを知る。前へ行く小さな勇気を持つことによって、その先にさらに大きな世界が広がっていることを知るんです」

プロフィール

井村雅代

いむら・まさよ――大阪府生まれ。中学時代よりシンクロナイズドスイミングを始める。選手時代は日本選手権で2度優勝し、ミュンヘン五輪の公開演技に出場。天理大学卒業後、大阪市内で教諭を務める傍ら、シンクロの指導にも従事。昭和53年日本代表コーチに就任。平成18年より中国、イギリスの指導を経て、26年日本代表ヘッドコーチに復帰。リオ五輪ではデュエット、団体とも銅メダルを獲得。五輪でのメダル獲得数は通算13個となる。著書に『あなたが変わるまで、わたしはあきらめない』(光文社知恵の森文庫)『井村雅代コーチの結果を出す力』(PHP研究所)など。


編集後記

特集のトップを飾っていただくのは、リオ五輪のシンクロ競技で、日本に復活のメダルをもたらした日本代表ヘッドコーチ・井村雅代さんです。劣悪な環境の中、選手たちとのコミュニケーションにも苦しみながら結果を出した井村さんの熱血指導に、仕事と人生への向き合い方を学びます。

2017年12月1日 発行/ 1 月号

特集 仕事と人生

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