ひたむきなエネルギーが時代を動かす 山﨑敦義(TBM社長) 出雲 充(ユーグレナ社長)

資源の枯渇が叫ばれる中、紙やプラスチックの代替になる画期的な新素材・ライメックスを手掛ける山﨑敦義氏。貧国の栄養事情解決の切り札として、さらにはクリーンな新燃料として期待されるミドリムシを手掛ける出雲 充氏。ともにゼロから立ち上げた事業が、いま世界を大きく変えつつある。二人は仕事と人生にどう向き合ってきたのか。そのひたむきな歩みを語り合っていただいた。

リーダーというのはどんなことがあっても諦めないタフさというのが絶対に必要

山﨑敦義
TBM社長

「僕も資金調達で苦労していた時には、『そこまで言うのか』と思うくらい酷いこともたくさん言われましたけど、後々考えてみると、『あの時、あの人が言っていたことはもっともだ』と納得できることがたくさんあります。当時の自分にはまだ分からなかったけれども、いろんな苦労をして成長させてもらったいまは、本当にありがたく思える。自分がそう思えるように成長できたことは、一番大きな財産かなとも思うんです」

多くの人から力を貸してもらえるようなリーダーになるには、自分自身が確信に至るまで努力をすることが大事

出雲 充
ユーグレナ社長

「多くの人から力を貸してもらえるようなリーダーになるには、自分自身が確信に至るまで努力をすることも大事だと思います。リーダーが、これは本当に自信があるんだというくらいできることをやり抜いていれば、自ずと周りの人も、手伝ってあげたい、一緒に頑張りたいという気持ちになりますよね。
 人はテクニックでは動きません。自分が信じられるところまでやれることをすべてやり尽くす。そういう努力をして確信に至った人の言葉だからこそ、人を動かすのだと私は思います」

プロフィール

出雲 充

いずも・みつる——昭和55年広島県生まれ。平成14年東京大学農学部農業構造・経営学専修課程を修了。同年東京三菱銀行に入行。17年8月ユーグレナを創業、社長に就任。同年12月世界初となる微細藻類ユーグレナ(和名・ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。食品や化粧品として事業化し、現在は飼料や燃料など数多くの分野で事業化を目指している。著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めた。』(小学館新書)がある。

山﨑敦義

やまざき・のぶよし——昭和48年大阪府生まれ。中学卒業後に大工となる。平成5年中古車販売業を始める。23年TBMを設立し、社長に就任。従来のストーンペーパーと異なる、紙やプラスチックの代替となる石灰石を主成分にした新素材ライメックスを開発。日経スペシャル「カンブリア宮殿」10周年500回記念番組に登場。資源の枯渇や環境問題の克服に貢献すべく尽力している。


編集後記

ライメックスとミドリムシ。資源の枯渇と環境の悪化が深刻化する世界に光明をもたらす新素材、新燃料に取り組むTBM社長の山﨑敦義さんとユーグレナ社長の出雲充さん。若いお二人が、世の中にないものを生み出す苦闘には胸が熱くなります。後に続く人が多数現れ、日本がさらに元気になっていくことを願わずにおられません。

2017年12月1日 発行/ 1 月号

特集 仕事と人生

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