アメリカ人蕎麦研究家ユデスキー氏が語る蕎麦の魅力


「年越し蕎麦」や「引っ越し蕎麦」など、蕎麦は日本人の生活習慣に深く根付いた食べ物の一つです。本日はアメリカ人の蕎麦研究家であり、『The Book of Soba』の著者として知られるジェイムス・ユデスキー氏が語った奥深い蕎麦の世界に関する記事をご紹介いたします。

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蕎麦に魅せられ蕎麦職人の道へ

私が日本文化や自然食の調査研究を目的に来日したのは、18年前に遡ります。

日本に来て2年目のある日、友人が東京郊外にある老舗の蕎麦屋に連れていってくれました。出された蕎麦はとてもおいしく、天ぷらやゴマ、ネギなど食材の良さが光っていました。

蕎麦を口にしたときの素晴らしい気分は忘れることができません。
私はすっかり蕎麦の味に魅了されてしまい、その魅力を多くの人に伝えることができたら、と思い立ったのです。さっそく店の主人に弟子入りをお願いしました。すると、「すぐにでもどうぞ。週末からどうですか」と快く受け入れてくれたのです。

蕎麦打ちにはスポーツと同じような心地良さを感じました。
蕎麦粉をこね、延ばして、包丁で切る。それぞれの工程に7分ずつ、蕎麦をこねて蕎麦がゆで上がるまでには20分ほどかかります。
その間、身体を大変リズミカルに動かします。一瞬でも気を抜くと、風味豊かなコシのある蕎麦はできなくなってしまいます。
常にベストの状態で、すべてのエネルギーを投入して、蕎麦打ちに臨むわけです。

シンプルで奥深いのが蕎麦の世界

蕎麦は極めてシンプルな食物です。それだけに奥深いものがあるといえます。蕎麦がおいしく感じるレベルに達するには、蕎麦職人の腕前はもちろんのこと、蕎麦粉やかつお節、醤油といった食材の吟味から始めなければなりません。

私は全国の蕎麦どころを訪ねて歩きました。
蕎麦粉一つ見ても、地方によって色々な違いがあることがわかってきました。そのことが蕎麦の歴史や文化についての研究に足を踏み入れることになりました。

蕎麦の奥深さを知れば知るほど、面白さが増してきました。昭和63年にはついに世界に向けた蕎麦の本を日米で出版するに至りました。本の出版がさらに蕎麦に私をのめり込ませることになりました。

蕎麦を研究していきますと、蕎麦は他の麺類に比べて栄養的にも優れていることが分かってきました。
例えば、蕎麦に含まれるタンパク質は、豆類を除く穀物全般のなかでも含有量が比較的多いのです。その他にも多くの栄養素が含まれています。食材の良い蕎麦を食べると、食べた後で気分が良くなるのはそのためなのです。

蕎麦はシンプルな食品だと前にもいいましたが、私たちにエネルギーを与えてリフレッシュしてくれる食べ物でもあるのです。

 


(本記事は『致知』1996年3月号 「凛々と生きる」から一部抜粋・編集したものです)


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◇ジェイムス・ユデスキー
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米国シカゴ生まれ。日本滞在中に蕎麦に魅せられ、蕎麦研究家として活躍。1988年に日本の蕎麦について記した『The Book of Soba』を出版。

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