「いのちの意味」と「人間の使命」——100歳、茶道裏千家・千玄室氏が語る

茶道裏千家前家元の千玄室氏は2023年、100歳を迎えられます。70年以上、国内外で茶道の普及を続けるその精進努力には、いささかの衰えもありません。数多くの人生の山坂を乗り越えてこられた先生に、命の意味について語っていただきました。

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命を生かして使うことが人間の役割

——先生は命の尊さについて、どのようにお感じになっていますか。

<千> 
私はよく言うのです。「いのち」の「い」は「生きる」こと、「の」は「望み」であると。人間は、生まれて育っていく過程の中で「自分は何になりたいか」と、進むべき方向を自分で決めるわけでしょう? 

命を与えられた以上は生きるための望み、目的を持たなくてはいけません。

いまは自分の望み、願望を語れない人が増えています。そうかと思うと、望みが叶わないからといって簡単に他人を傷つけたり、他人に責任を転嫁したりする。

こういう卑怯者のようなことをやってはいけませんね。

自分の人生は最後まで自分で責任を取らなくてはいけませんし、望みというものは、どういう状況に置かれたとしても決して失ってはいけないのです。

最後の「ち」は「血」です。

人間は皆、親から血を受け継いでいまを生きています。血は先祖から連綿と繋がっている。

だけど、そのありがたさを忘れてしまっているのです。

親に対してどうのこうのと言うのだけれども、両親からいただいた血を大切に生かすことは人間の役目です。そこに初めて「命の尊さ」があるわけです。

——噛み締めないといけない言葉ですね。

人生哲学の中で最も大切なこと

<千>
これは日本人だけでなく世界中の人々も皆一緒ですよ。

皮膚の色が違っても、言葉が違っても、国が違っても人間は同じである。

その人間は誰もが大きな使命を担っている。

使命と言いましても、最初から答えが与えられているものではありません。

いろいろなことを学びながら、経験を重ねながら自分の役割は何か、答えを出していく以外にないのです。

人生は未知数です。

掛け算や足し算では到底計り知れない世界がそこにはある。

そこに必要なのが人生哲学であり人間学なのではないでしょうか。

人生哲学の中で最も大切なのが人と人との繋がり、絆だと私は思います。

自分の価値観、考えを追究しながらも、同時に社会や家族における自分の存在を自覚して生きることです。


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月刊誌『致知』が創刊四十五周年の節目を迎えられ、愛読される方々が増えていることを心より嬉しく思っております。 

『致知』を編集し、今日迄ま での道を作ってこられた藤尾秀昭社長とは昵懇にさせていただいておりますが、『致知』は今は亡き安岡正篤先生の教えを受け継がれていると思っています。現代の日本人に何より必要なのはしっかりした人生哲学です。『致知』は教養として心を教える月刊誌であり、毎回「人間を学ぶ」ことの意義が説かれています。もっともっと多くの方がこの誌を通じて自らの使命を知り、日本人としての誇りを培っていただけたらと念じてやみません。

◇千 玄室(せん・げんしつ)
大正12年京都府生まれ。昭和21年同志社大学法学部卒業後、米・ハワイ大学で修学。39年千利休居士15代家元を継承。平成14年長男に家元を譲座し、千玄室大宗匠を名乗る。文学博士、哲学博士。主な役職に外務省参与、ユネスコ親善大使、日本・国連親善大使、公益財団法人日本国際連合協会会長。文化勲章、レジオン・ドヌール・勲章オフィシエ、レジオン・ドヌール勲章コマンドール(フランス)、大功労十字章(ドイツ)、独立勲章第一級(UAE)等を受章。

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4月で満100歳になられる茶道裏千家前家元の千玄室氏と、五井平和財団会長として世界各国で講演活動を続ける西園寺昌美氏。両氏には歩んだ道こそ違え、大きな共通点があります。世界の平和を願い、その志のために人生を捧げてきたことです。

戦争や闘病という死線を越えた体験を通して平和に目覚めたお二人の歩みは、文字通り不惜身命、但惜身命そのものです。それぞれの歩みを振り返りながら、いまだ紛争が絶えない現代、私たち一人ひとりは平和のために何ができるのかを語り合っていただきました。詳細は下記バナーをクリック↓

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