2026年09月20日
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2作で40万部を超える大ベストセラーとなった、「1日1話シリーズ」の第3弾『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』。本日は、致知出版社の社員が選んだ、イチオシの一日一話をご紹介いたします。第5回は、書籍営業部・Eのイチオシです。
(本記事は、『1日1話、読めば心が熱くなる365人の人間学の教科書』から一部抜粋・編集しています)
荒れ果てた私を救ってくれた一冊の本
11月19日
父の前では優しく振る舞う義母でしたが、陰では姉と私にひどい虐待をしました。
木刀やほうきで理由もなく殴られる毎日。部屋に監禁され、学校はもちろん、便所に行くことすら許されず、失禁することもしばしばでした。
自分は何のために生きているのか。死ねたらどんなに楽だろう……。自宅の2階から飛び降りたこともありました。
そして遂に母に包丁を突きつけられ、家を飛び出し交番へ。それが引き金となり、小学五年生から父との二人暮らしが始まりました。
以降は学校に通うようになりましたが、まともな学校生活は小学1年生以来で、友達のつくり方すら分かりません。
そんな時でした。同級生と放課後に立ち寄ったスーパーで、義母に度々強要されていた万引きをして見せると、皆が「すごい」と驚いてくれたのです。義母に否定され続けた自分という存在が初めて肯定されたように感じ、それ以降、非行に生きる道を見出すようになりました。
中学生になると暴走族へ。悪さをすればするほど褒められる環境に居心地のよさを感じ、非行は日を増すごとにエスカレートしていきました。
度重なる窃盗や無免許運転により、16歳で少年院へ。反省の念は湧かず、出院から2週間後、殺人すら辞さない覚悟で傷害事件を起こし、再び逮捕。さらに院内でも傷害事件を起こしました。
「俺が非行に走ったのは、義母のせいだ!」
荒れ果てた私を救ってくれたのは、19歳の時、偶然手にした一冊の本でした。院の読書の時間に、ボクシング元世界チャンピオン・輪島功一さんの自伝『炎の世界チャンピオン』に出合ったのです。
貧乏で学校にも行けず、建設現場で働く毎日。運動神経がよいわけでもなく、おまけに年齢は25と、当時としては極めて遅いデビューでした。それにも拘らず、僅か3年で世界チャンピオンへと上り詰めたことを知りました。そんな奇跡のようなストーリーが、暗闇を彷徨っていた私に光を与えてくれました。
家庭環境、才能、スポーツ経験、年齢といった境遇を問わず、努力と根性さえあれば必ず人生を切り拓いていけるのだと、輪島さんの人生が教えてくれたのです。
その日の日記にこう記しています。
「俺はボクシングで世界チャンピオンになる」
この日を境に生活態度は一変し体育の時間をはじめ、あらゆる機会をチャンピオンへの道のりと捉え、一所懸命取り組みました。院内での評価は「E」から「B」に上がるほどで、出院後は一切の悪縁を絶ち切り、東京の輪島ジムへと向かったのです。
それからは文字通り生活のすべてをボクシングに捧げました。薄暗い時間帯から十キロを走り、日中は仕事をして夜はジムで練習。部屋にはチャンピオンベルトの写真を貼り、毎朝歯を磨きながら「世界チャンピオン、世界チャンピオン」と狂ったように唱えました。チャンピオンになるには世界一の人格者にならなければならないとの思いから10年足らずで1,000冊以上の本を読み漁ったものです。
過労のあまり自宅で失神することもありましたが、非行以外に生きる道を見出した私はまさに無我夢中でした。
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