復興の陰にあった『致知』からの学び——佐々木 孝寿×上村晋一

月刊『致知』をテキストにした勉強会「社内木鶏会」。「社内木鶏会」を実施されているヤマサコウショウ社長の佐々木孝寿氏と、阿蘇立野病院理事長上村晋一氏はそれぞれ東日本大震災と熊本地震で被災され、失意のどん底に突き落とされるような体験をされました。復興の陰にあった『致知』からの学びと、危機に直面した時のリーダーのあり方について語り合っていただきました。

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復旧の支えになった社内木鶏会

<上村>
復旧に取り組む際に大きな力になったのが、『致知』の読後感を職場で分かち合って人間学の勉強をする社内木鶏会でした。

阿蘇立野病院では、2014年に導入して、2015年には札幌で開催された第5回社内木鶏全国大会に出場しました。

前年の第4回大会では、佐々木さんの会社が感動大賞を受賞されましたね。

私があの時に客席で、御社が社内木鶏会を支えに震災から立ち直ってこられたお話を拝聴していたことはとても大きかったと思います。

<佐々木>
それは恐縮です(笑)。

上村さんがおっしゃるように、震災の時に皆で一致団結できたのは、社内木鶏会のおかげだと思っています。

当社が社内木鶏会を始めたのは2010年で、震災があった時はまだ45か月しか経っていませんでした。

しかしその短い期間でも皆の心に響くものがあったのでしょうね。

震災後2年くらいお休みしましたけど、「社長、そろそろ社内木鶏会を再開してもいいんじゃないですか?」と、社員から言われた時はとても嬉しかったですね。

それで2013513日から再開したんです。

<上村>
社員さんから再開を促されたのは、素晴らしいことですね。

<佐々木>
最近特に嬉しいのは、社員たちが「よき人、よき言葉、よき教え」とか、「心のコップを立てる」とか、経営理念にも取り入れている「物心両面の幸福」といった『致知』で学んだ教えを、事ある毎ごとに口にするようになったことです。

こんなふうに社員の意識が高まることは、何ものにも代えがたい財産だと思っています。

上村さんが地震後に社内木鶏会を再開されたのはいつですか。

<上村>
2か月半経った630日でした。

職員を鼓舞するために、『致知』で紹介されている前向きな話に触れてほしい。絶望から這い上がってこられた方々の人生体験を心の糧にして共に頑張っていきたいという思いがありました。

社内木鶏会のことを身に沁みていいなと思うようになったのは、やっぱり地震の後ですね。

真っ暗闇の中から立ち上がっていく時に『致知』の素晴らしい教えを職員と共有できたのは、あり得ないくらいに幸せなことでした。

<佐々木>
苦労しただけに『致知』で説かれていることがスーッと心に沁み込むんですよね。

リーダーの心の持ちようは職員にも伝染する

<上村>
年初の能登半島地震で、私たちはいつ、どこで大災害に見舞われるか分からないことを改めて思い知らされました。

私が被災体験を踏まえて常に心に刻んでおきたいと思うのが、禅の「平常心」という言葉です。

災害が来る可能性を常に自覚して、これにしっかり備えておくこと。その上で淡々と、当たり前に、目の前のやるべきことを一つひとつ積み重ねていく。

例えば能登半島の被災地の様子をニュースで見ても、すぐに現地の方々の立場になって、自分たちだったらどうすべきかと考えてみる。

普段からそうした心の準備をしておくことが大事ではないかと思います。

<佐々木>
まさかと思うようなことが本当に起こることを、私たちは身を以もって体験しました。

私は「常在戦場」という言葉が好きなんですが、被災後は特にこの言葉を心に刻んで、まさかはあるんだと自分に言い聞かせながら日々活動しています。

<上村>
危機に直面した時には、呼吸を調ととのえることも大事だと思います。

私は外科医でもありますが、手術をしている時にはしばしば予期せぬことが起こるんです。

そんな時には、まず大きく息を吐いて呼吸を調え、心を調えることが大事だと先輩方から教わって実践してきました。

それは災害に遭った時も同じだと思うんです。

気が上に上がったら動転します。「はぁーっ」と息を長く吐いて、意識を下に下に持っていくこと。

足をしっかり地に着けて、倒れちゃダメだと自分に言い聞かせる。

先ほど、リーダーである自分の心の持ちようは職員にも伝染すると申し上げましたけれども、そうして心を調えることの大切さを常に自分に言い聞かせています。

その点、私は佐々木さんの明るいお人柄に常々感服しているんです。リーダーが常に明るく皆を導いていくことはとても大切なことですよね。


本記事では、「地震で裏山に亀裂決死の覚悟で患者を移送」や「大津波から九死に一生を得て」など、壮絶な震災体験をはじめ、「立野の地に医療の灯を点し続ける」や「628日の闘いを経て病院を全面再開」など、復興にいたるまでの歩みを語り合っていただきました。いつ何が起こるか分からない世の中を生きる上で、必見の内容となっています。

◉『致知』2024年6月号 特集「希望は失望に終わらず」◉
対談〝「大災害との闘い 我が社はこうして立ち直った」
佐々木 孝寿(ヤマサコウショウ社長)
上村晋一(阿蘇立野病院理事長)

 ↓ 対談内容はこちら!

◆必ず復興できるそう強く信じてほしい
◆地震で裏山に亀裂決死の覚悟で患者を移送
◆大津波から九死に一生を得て
◆へたる時は死ぬ時だ
◆立野の地に医療の灯を点し続ける
◆628日の闘いを経て病院を全面再開
◆「あぁ、また仕事ができるんだなぁ……」
◆胸に響いた母親の愛情
◆復旧の支えになった社内木鶏会
◆リーダーの心の持ちようは職員にも伝染する
◆希望も失望も自分の心次第

▼詳細・お申し込みはこちら

◇佐々木 孝寿(ささき・たかとし)
昭和40年宮城県生まれ。東北学院大学経済学部卒業。東京の水産卸会社を経て、平成6年ヤマサコウショウに入社。21年同社社長に就任。

◇上村晋一(うえむら・しんいち)
昭和40年熊本県生まれ。久留米大学医学部を卒業後、癌研究会付属病院、熊本大学第一外科などを経て、平成12年に医療法人社団順幸会阿蘇立野病院へ戻る。19年同院院長。26年同院理事長に就任。

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