「社会の乱れは自己の不徳」天照大神が示した日本のリーダーシップの原点〈幣立神宮名誉宮司・春木伸哉〉


国内外から多くの参拝者が訪れる熊本県の幣立神宮。名誉宮司の春木伸哉氏は、すべてを自らの責任と捉えて行動する神道の精神に、いまこそ立ち戻らなくてはいけないと説きます。神道を紐解く中で見えてくる、我が国に連綿と受け継がれてきたリーダーの在り方とは——。

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神道の精神は連綿と受け継がれてきた

<春木>
神道とは自然、神、人が一体となった自然道であり、その中から生まれた人の道が道徳という言葉で記されています。

神道には特定の教えや経典こそありませんが、ご祭神の姿を通して私たちがどのように生きるべきかを知ることができます。

いわば神様の姿を通して自分という人間をつくっていくのが神道なのです。

我が国の歴史の源流は天照大神の岩戸籠もりに始まります。世の中が乱れ悪弊が蔓延ったため、天照大神は自らの不徳を正して岩戸に籠もり、祈りをもって国づくりを実現しようとされました。

リーダー自身が社会の乱れは自己の不徳として問題解決に当たる姿を、天照大神ご自身がお示しになっているのです。

またこのことは歴代の天皇をはじめ、各時代のリーダーたちの国づくりの原型ともなっていきました。

天照大神はご自身の国づくりの思いを皇孫・瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に託され、瓊瓊杵尊は天照大神から授けられた剣、鏡、勾玉の「三種の神器」を手に葦原中国である日本にご降臨なさいました。

鎌倉、南北朝時代の歴史家であり神道家でもあった北畠親房の『神皇正統記』によると、鏡は正直の本源、剣は知恵の本源、勾玉は慈悲の本源であるとされています。

これらの神器を受け継ぎ、天照大神の御心を体現され、瓊瓊杵尊は未開の地で命懸けの国づくりを進められるのです。

古来、公家などが地方に出向くことを「ご降臨」という表現をしました。飛行機や新幹線がない時代、熊や盗賊のいる山道を乗り越えて地方に出向くのは文字通り命懸けでした。

使命のためには身を捨てることも惜しまない。これは瓊瓊杵尊以来の日本の伝統です。

そして、天照大神、瓊瓊杵尊の天孫降臨の精神を受け継がれたのが神武天皇です。

神武天皇は当神宮の位置する日向の地から東征し大和(奈良県)にお着きになります。そして大和遷都で即位するに当たって神に約束をされます。

その約束では民を「元元」と表現し、神代からの神々の徳に応えるために正しい行いに励み、子々孫々に正しい生き方を広め国を治めると述べられています。

神武天皇もまた民に正しい行いを指示するのではなく、自らがその姿勢を示して国を治めると宣言されている。これは実に特筆すべきことでしょう。


本記事では、「いまの日本は誰も責任を取ろうとしない社会」「都合の悪いことは過去に責任転嫁」など、現在の我が国の惨状を憂えるとともに、神道の精神を以て国家を蘇らせるための道が説かれています。

◉『致知』2024年2月号 特集「立志立国」◉
エッセイ〝「甦れ、日本の心」〟
春木伸哉(幣立神宮名誉宮司)

 ↓ エッセイ内容はこちら!

◆人類和合の五色神面
◆いまの日本は誰も責任を取ろうとしない社会
◆都合の悪いことは過去に責任転嫁
◆神道の精神は連綿と受け継がれてきた
◆自分自身がパワースポットに

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◇春木伸哉(はるき・しんや)
昭和12年熊本県生まれ。熊本大学教育学部卒業後、県内の公立小中学校に勤務。平成2年から校長を務める。11年幣立神宮宮司に。著書に『神を受け継ぐ日本人』(徳間書店)『青年地球誕生』(春木秀映氏との共著/明窓出版)など。

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