2024年02月04日
日本最大規模の総合格闘技団体である空手道禅道会。その創設者である小沢 隆氏は、空手を通じた武士道精神の普及のみならず、青少年の自立支援やウクライナの支援にも力を注いでいます。無私の生き方の背景にあった「目の前の景色が綺麗に見える生き方」とは。原点となった幼少期の体験も踏まえ、語っていただきました。 ◎各界一流プロフェッショナルの体験談を多数掲載、定期購読者数No.1(約11万8,000人)の総合月刊誌『致知』。人間力を高め、学び続ける習慣をお届けします。
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未知なる世界に飛び込む
——困っている人たちを助けるという小沢さんの生き方のベースはどこにあるのでしょうか?
<小沢>
きっと母子家庭で育ったことが根底にあるのでしょう。
母親がいまでいうとキャバクラの経営者だったんです。学校では「水商売の子とは遊ぶな」と指を差され、夜は一人で母親の帰りを待ちながらテレビを見ていました。
当時は真空管だったので、11時にすべての番組が終わると画面がザザザーっと砂嵐になり、電源を切るとプツンと徐々にフェードアウトして消えていく。それが自分にとって死のイメージだったんですね。
生者必滅で人間は必ず死んでいく生き物である。
ではなぜ人は生まれて、何のために生きるのだろうか──母親の帰りを待ちながら子供心にそんなことを考えていました。
いつも死の恐怖に怯えていた私は、自分の心に大きな穴が空いたように何にも意味を感じられず、当然、日常がものすごく苦痛でした。
そんな頃に出合ったのが空手でした。
——空手に打ち込むことで何か心境の変化はありましたか?
<小沢>
無心で練習に打ち込むうちに、それまで抱いていた無常観のような感情を忘れることができました。
それに、一所懸命汗水垂らすと、終わった後に見る景色がそれまでにないほど綺麗だったんです。景色は同じはずなのに、見る私の心が変わったんですね。
この感覚はいまも同じで、どんなに辛くても毎朝練習を欠かさないのは、しないよりしたほうが世の中が綺麗に見えるから。
目の前に困っている人がいたら、見て見ぬふりをするより助けてあげるほうが世界が綺麗に見える。単純にそれが自分にとって心地よかったのです。
ですから、皆それぞれが自分の縁あったことに尽力して、目の前の景色が綺麗に見える生き方をすることが巡り巡って平和な世界に繋がっていく。そう考えています。
本記事は、「志いかんではなく目の前のことを全力に」「善悪に囚われず まずは人を助ける」「一人ひとりの生き方がその国の文化をつくる」など、無私の生き方を貫く先に見える景色について教えていただきました。小沢さんの実践には、たとえ崇高な志でなくとも、各人それぞれの役割に心血を注ぐことが目の前の状況を変え、やがて世の発展へと結実していくことを教えられます。
『致知』2月号 特集「立志立国」
インタビュー〝「与えられた縁の中で各自ができることを尽くす」〟
小沢 隆(空手道禅道会首席師範)
↓ インタビュー内容はこちら!
◆志いかんではなく目の前のことを全力に
◆善悪に囚われず まずは人を助ける
◆少しでも世界が綺麗に見えるように
◆練習に打ち込む中で悟った真理
◆一人ひとりの生き方がその国の文化をつくる
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◇小沢 隆(おざわ・たかし)
昭和38年長野県生まれ。63年長野県飯田市に空手道場を建設し、青少年健全育成活動に取り組む。平成11年空手道禅道会を発足。日本最大規模の武道総合格闘技団体に拡大させ、幾多の名選手を育て上げる。13年NPO法人日本武道総合格闘技連盟を設立(令和元年に認定NPO法人に)。18年家庭内暴力・ひきこもり・発達障碍・精神障碍の子供たちのための自立支援・通信制高校サポート校「ディヤーナ国際学園」を立ち上げる。著書に『武道の心理学入門』『ヨガ×武道』(共にBAB JAPAN)など多数。