【取材手記】五木寛之×青山俊董 90年以上の年輪を刻んできたお二人が説く人生の大事

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希代のベストセラー作家が繙いた「人生百年時代」を歩くヒント

激動の2023年も残りひと月あまり。
間近に迫った2024年のスタートに先駆けて発刊される『致知』1月号の特集は「人生の大事」です。

トップを飾っていただいたのは、希代のベストセラー作家の五木寛之さんと曹洞宗僧侶の青山俊董さん。共に90代の坂を歩み始めたお二人による奇跡の対談が実現しました。

いくつになってもダンディな五木寛之さん。

対談会場には杖を突いて入室されたものの、その立ち居振る舞いの格好よさに思わず目を奪われます。

「私は以前『下山の思想』という本を書いたことがあります。人生の前半は必死で山頂を目指すばかりで、他のことを考える余裕もありませんけど、人生の後半生では昔のことに思いを馳せたり、それまで目に留まらなかった景色に感動したりしながら優雅に山を下っていくことができる。

下山というとマイナスに捉えられがちですが、下山には上りの時には味わえない喜びもあると思うんです」

独特の視点で人間を深く洞察する五木さんに、人生百年時代を歩んでいくための有益なヒントを与えていただきました。

「病気はたくさんの大切なことを教えてくれるありがたい財産」

片や、日本を代表する尼僧として、仏道の普及に尽力し続けてこられた青山俊董さん。

以前は僅かな睡眠時間でも平気で活動できていたにも拘らずこの4、5年で立て続けに大きな病に見舞われたとのこと。

まずは脳梗塞。その時は、それまで普通に行っていた書くこと、しゃべること、歩くことが、神通力に思えたといいます。そして3ヶ月後には心筋梗塞。この時は葬式の準備まで進められていたそうです。

それから大腸がんで入院し、あと5日で退院という時に心臓発作。その時施された心臓マッサージは、肋骨が1本折れ、2本にひびが入るほど大変だったとのこと。さら大腸がんが肝臓に移り、ラジオ波で焼いて処置。

「おかげで老病死の勉強を一気にさせてもらいまして、やっとこれでどうにか一人前になれました。病気はたくさんの大切なことを教えてくれるありがたい財産です。​だから、『南無病気大菩薩』と病気に手を合わせているんです」

心臓にはいまもペースメーカーが入っているという青山さんですが、春を感じさせるような温顔で過酷な闘病生活をいささかも感じさせず、いったん仏道を語り始めるや、その語調は俄然熱を帯びてくるのでした。

普段は巧みに会話をリードする対談の名手・五木さんも、今回は滔々と繰り出される“青山節”にじっくりと耳を傾けておられるのが印象的でした。

お二人には、来る1月27日(土)に開催する『致知』新春特別講演会にご登壇いただき、対談では語り尽くせなかった貴重なお話を披露していただく予定です。ぜひご参加下さい。


本記事では全10ページにわたって、作家として、尼僧として、それぞれの立場から人々に多くの示唆を与えてきたお二人に「人生の大事」について語り合っていただきました。共に90代の坂に差しかかったお二人が説き明かす人生の大事、いまを生きる術――。

​◉『致知』2024年1月号 特集「人生の大事」◉​
表紙対談「一大事とは今日只今の心なり」​
五木寛之(作家)
×
青山俊董(愛知専門尼僧堂堂頭)

↓ 対談内容はこちら!

​▼お釈迦様や道元様からよしといわれるお坊さんに
​▼受け皿が小さければ尊い話も受け止められない
​▼聖人の行く所はすべて楽土となる
​▼大事な話は耳鳴りがするほど聴け
​▼日常のあらゆる所作をきめ細かく示した道元
​▼定法なきところに大法あり
​▼悟りを開いた後も再び俗世に身を投じて
​▼病気のおかげでどうにか一人前になれた
​▼死を直視した引き揚げ体験
​▼育てられていたのは自分だった
​▼生かされている自分を自覚する
​▼暗闇の中に光を見出して

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​​◎五木寛之さんの人気連載「忘れ得ぬ人 忘れ得ぬ言葉」は『致知』でご覧いただけます​​​​◎​​

​​◎青山俊董さんも、弊誌『致知』をご愛読くださっています。推薦コメントはこちら↓↓◎​​

 この頃しきりに良寛さまの「人間の是非一夢の中」の一句が脳裏を去来する。人類の歴史は、小さくは個人から大きくは国と国との関係まで、勝つか負けるか、成功するか失敗するか等の追っかけっこといえるのではなかろうか。人間の是非は立場が変わると逆転する。正義の名のもと、神・仏の名のもとに限りなく争いが繰り返されてきた。
 かつて「勝ってさわがれるより負けてさわがれる力士になれ」の一言で講演の結びとされた二十八代立行司、木村庄之助氏の言葉が忘れられない。勝ってさわがれるのは技と力の世界。負けてさわがれるのは勝ち負けを越えた世界をにらんで生きる世界。時と処を越えて変らぬ永遠の一点をみつめて生きる。それが「人間の是非」を越えた世界ということであり、『致知』のめざす「木鶏」が語ろうとしているのもこの一点ではなかろうか。

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▼『致知』2024年1月号 特集「人生の大事」
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