「心の力」をいかに高めるか?——月刊誌『致知』に期待する理由

『致知』連載でお馴染みのJFEホールディングス名誉顧問・數土文夫氏(写真左)、文学博士・鈴木秀子氏(写真中央)、臨済宗円覚寺派管長・横田南嶺氏(写真右)は長年弊誌をご愛読くださっています。それぞれの立場で考える『致知』の魅力と役割、そしてこれからの社会で果たすべき使命について語り合っていただきました。

ある男性からの手紙

〈本誌〉 
少し前ですが、Nさんという男性の読者から「僕の命を救ってくれた『致知』と致知出版社の方々に」という感謝のお手紙をいただきました。

Nさんはいじめや結婚破綻によって精神を病まれたのですが、『致知』を読むことで「生きるのを諦めちゃ駄目だ」と気持ちを奮い立たせたと書かれていました。「勇気を持って困難、試練に立ち向かおうと背中を押してくれる。いろいろなことがあったけれども、いまはその一つひとつに感謝しております」と。

〈鈴木〉 
いいお手紙ですね。私の周囲にも『致知』の愛読者はたくさんいらっしゃいますが、何であんなに心惹かれるのか、真剣に読むのかと考えると、『致知』は生きる目的をはっきりと示してくれているじゃありませんか。その信頼度の高さは、他の雑誌とは大きく違う『致知』の素晴らしさだと思います。

また『致知』が示す生きる目的を読者の皆さんがきちんと受け止めておられるように私は感じるんです。

〈横田〉 
私が『致知』を読んでいてありがたいと思うのは、自分とは全く違う人生を歩んだ方のお話が聞けることです。きょうもこうしてカトリックのシスターとして生きてこられた鈴木先生からその教えの精髄を、経済界の重鎮でいらっしゃる數土先生から経営の究極の真理を拝聴できるわけですから。

いまのこの変化の激しい時代には、古典の学びだけでは対応できない問題も起きております。例えば、Z世代への向き合い方などはそうだと思いますが、よく読むと、そのことで悩んできた『致知』の登場者が解決策を示してくださっているんですね。このような古典にないことを学べるのも『致知』の魅力かと思います。

〈數土〉 
それに、『致知』は月刊誌でしょう。このスピードの早い変化の時、何事も我を忘れて付和雷同しがちな風潮の中で、月に1回、我に返る時間を与えてくれる。こうありたいと思っていたものに出会うことができる。そういう役割は『致知』が月刊誌だからこそ担えるんです。

〈鈴木〉 
アメリカにいる私の友人は、1か月かけて『致知』を読み終えるんですって。そうやって自分の基礎をつくっている読者も多いのではないでしょうか。

この時代に『致知』はかくあれ

〈本誌〉 
その『致知』も、おかげさまで今年(2023)創刊45周年の節目を迎えます。

〈横田〉 
私はそこに変わらぬものの尊さがあるような気がしますね。人間学という変わらぬ指針をずっとぶれずに貫くのは簡単にはできないことだと思います。

〈鈴木〉 
私は『致知』を読む度に、社員さんが読者をとても大切にしていると感じるんです。それは読者のために頁を割くとかそういうことではなく、読者に添いながら、大切にしていることが伝わってくるんですね。その姿勢をこれからも大切にしていただきたいですね。

〈數土〉 
少し話が横道に逸れるかもしれませんが、先般、岸田内閣が新たな国家安全保障戦略の中で日本の国益とは何かを定義しました。

1つ目は主権と独立を維持し、国民の生命・身体・財産の安全を確保する。2つ目は経済成長を通じてさらなる繁栄を実現する。3つ目は自由、民主主義、基本的人権の尊重、法の支配という普遍的価値や国際法に基づく国際秩序を維持・擁護する、というものです。

私はこの国益に資することが人間学の基本だと思うんです。あくまでも国益に資した義、勇、仁でなくてはいけない。いくらヤクザが義理人情に篤いといっても国益とは何の関係もないわけです。いまの日本のメディアは国益を語ることが青臭いように思えるのか、取り上げることをしませんが、ぜひ人間学を軸にして国益の意識を高め、国益に貢献していただきたい。武士道精神の涵養と共に、それが私のこれからの『致知』への大きな期待ですね。

私は公の仕事をすべて離れましたけれども、81歳のいまも本を読んだり人に会ったりすると、世の中にはこんなに素晴らしい人がいるのかと感心する度合いがますます高まってきたんです。これから『致知』でどのような人物に出会えるか、とても楽しみです。


(本記事は月刊『致知』2023年3月号 特集「一心万変に応ず」より一部抜粋・編集したものです)

◎本鼎談では、

  • ・「ヨブよ、腰に帯して立ち上がれ」
  • ・マイナスと思うことが自分を生かしてくれる
  • ・万変に応ずる基本は「必ず攻めて守らず」
  • ・時代が変わろうと変わらない真理がある

など、特集テーマ「一心万変に応ず」を軸に語り合っていただきました。それぞれの立場で人間の心と向き合ってこられた三氏の示唆に富む教えの数々には、変化の激しいいまの時代を生き抜くヒントが満載です。本記事の詳細・ご購読はこちら【「致知電子版」でも全文をお読みいただけます

 

◎鈴木氏、數土氏、横田氏から創刊45周年を祝しお寄せいただいた推薦コメントはこちら↓↓◎

『致知』45周年おめでとうございます。『致知』を通して、私はどれだけたくさんの素晴らしい方達との出会いに恵まれたことでしょうか。実際にお会いし、あるいは、誌面を通して、お人柄に触れ、生きる知恵をいただきました。また、対談や、今月で165回目を迎える「人生を照らす言葉」をお読みいただいた方達は温かい励ましを贈り続けてくださいました。

45年にわたり、『致知』は、物質中心の価値観を超えて、自然環境、社会的構成を重視しながら、人間の真の幸せ、人間の魂のあり方を追求する生き方を、読者とともに求め続けてきました。これからも、激変する今の時代に、最も必要とされる叡智を伝え続けてくれるのが、『致知』であると確信しております。

『致知』が創刊45周年を迎えました。敬意を表します。

今日、世に一番求められている、人間の思考のあり方、即ち「人間学」について考察し、その重要さを、45年間訴えつづけてきたのが月刊誌『致知』であります。『致知』のすばらしい点は読者との一体感にもあります。『致知』の読者は年齢、職業、性別等、多様でありますが、これら幅広い読者層が一体となって編集方針の「人間学」に収斂し、育ててきた点も
評価すべきです。希有の月刊誌であります。

二十一世紀はDXや生成AIが人間の生活を有無を言わさず変える時代です。益々加速するでしょう。一方、「人間学」の重みは更に増してきます。「温故知新」。これを忘れるべきではないのです。

『致知』の存在は際だって重みを増してくるはずです。急速な変革の社会にあって『致知』が変わらず歴史を踏まえつつ、人間のすばらしい行動と実践を紹介することによって、我々を不断に覚醒しつづけてくれるよう願っています。

毎月のはじめに月刊誌『致知』が届くのが楽しみであります。巻頭の言葉、総リードや巻頭対談など主な記事をざっと拝読して、いつも編集長宛てに、感想を手短に述べてお礼の手紙を認めています。いつものことですが、毎月これだけの内容のものを届けてくださることに感謝しています。

それから毎月寺で木鶏会を行っていますので、再び『致知』を丹念に読み、そして皆の発表を聞きます。自分だけでなく、他の人がどのように受けとめているかも大いに学ばされるものです。

更に一か月の間、『致知』を手元に置いて、次の号が届くまで折に触れて開いては拝読するのです。

そんなことをしながら、毎月の半ばには、『致知』に連載している「禅語に学ぶ」の原稿を書き始めます。かくして今や『致知』は、私の毎日の暮らしに無くてはならないものとなっています。『致知』のおかげで学べることを楽しんでいます。45年を経て、更なる発展を願っています。

◇鈴木秀子(すずき・ひでこ)

東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。聖心女子大学教授を経て、現在国際文学療法学会会長、聖心会会員。日本にエニアグラムを紹介。著書に『自分の花を精いっぱい咲かせる生き方』『幸せになるキーワード』(共に致知出版社)『死にゆく人にあなたができること』(あさ出版)『機嫌よくいれば、だいたいのことはうまくいく。』(かんき出版)など多数。

◇數土文夫(すど・ふみお)

昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部冶金工学科を卒業後、川崎製鉄に入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。22年相談役。経済同友会副代表幹事や日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長などを歴任し、令和元年よりJFEホールディングス名誉顧問。

◇横田南嶺(よこた・なんれい)

昭和39年和歌山県新宮市生まれ。62年筑波大学卒業。在学中に出家得度し、卒業と同時に京都建仁寺僧堂で修行。平成3年円覚寺僧堂で修行。11年円覚寺僧堂師家。22年臨済宗円覚寺派管長に就任。2912月花園大学総長に就任。著書に『人生を照らす禅の言葉』『禅が教える人生の大道』『命ある限り歩き続ける』(五木寛之氏との共著)『十牛図に学ぶ』(いずれも致知出版社)など。最新刊に『臨済録に学ぶ』。

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