2022年11月17日
「学力の根本は国語力にある」――約半世紀、個人家庭教師を生業として数多くの受験生を志望校に合格させてきたブイネット代表・松永暢史さんはそう語ります。国語力をつけるには欠かせない名文の音読など、松永さんが長年の経験から編み出したメソッドの一端を伝授していただきました。
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国語力を高めるコツ
〈松永〉
子供たちの国語力(日本語了解能力)を高める上で音読と併せて大切なのが読書量です。しかも、10歳までの間にどれだけ多くを読んでいるかが地頭をつくる土台となることが多くの子供たちと接する中で分かってきました。
国語力は国語の勉強をすれば身につくと考える人がいますが、言葉は生き物であり、実際の文章の中でどう使われているかは感覚的に掴み取るしかありません。文法や漢字の書き取りではなく、読書や読み聞かせによってこそ身につけられるものなのです。
親は幼い我が子に絵本を読み聞かせます。これが情操教育に役立つのは当然ですが、より大切なのは音を聞かせることです。
「あ・る・ひ・の・こ・と・お・じ・い・さ・ん・は・や・ま・へ・し・ば・か・り・に・い・き」というように、絵本に書かれている一文字一文字を子供の体内に注入させるようなイメージで読むのです。
これを私は「一音一音ハッキリ読み」と言っていますが、これによって落ち着きのない子が集中して聞くようになったり、文章の「は」と「が」の微妙な違いなどを無意識的に体得できるようになったりします。
2、3歳くらいの子には夜寝る前、布団の上で話をしてあげてほしいと思います。本を読むのではなく、親が覚えている話を一緒に天井を見ながら話してあげると、子供の中のイメージは大きく膨らみ、日本語の伝達という点でもより効果的です。
幼稚園、保育園に入るとお薦めなのが紙芝居です。紙芝居は後ろのほうまでよく聞こえるように、一音一音、意識して書かれています。子供にも分かる簡単な言葉を使っているだけでなく、音がよい言葉が使われているのが特長です。ぜひ家庭でも取り入れてみてはいかがでしょうか。子供たちは絵本の読み聞かせに興味を示し、読書にも馴染んでくるはずです。
小学生になると、本を黙読する子が多くなりますが、できるだけ音読する期間を延ばすことが国語力を高めることになります。と同時に物語や知識本など興味を持つ本をとにかく数多く読むことです。たとえ図鑑のような本だったとしても、興味があれば難しい解説でも難なく読んでしまうのが子供たちの能力の不思議なところです。
(本記事は月刊『致知』2022年11月号 特集「運鈍根」より一部抜粋・編集したものです)
◎『致知』2022年11月号には、多くの受験生を志望校に合格させてきた松永暢史さんの記事を掲載。本記事には、
「『徒然草』の音読で国語力が著しく向上」
「国語力を高める秘訣はそのリズム」
「読書によって人間が高まる」
「教科書が読めない大学生が増えてきた」
など、子供たちの国語力、人間力を伸ばす独自メソッドが満載です。本記事の詳細・ご購読はこちら【「致知電子版」でも全文をお読みいただけます】
◇松永暢史(まつなが・のぶふみ)昭和32年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒。教育環境設定コンサルタント。受験のプロとして音読法、作文法、サイコロ学習法、短期英語学習法などのメソッドを開発。著書に30万部のベストセラーになった『男の子を伸ばす母親は、ここが違う!』(扶桑社)の他、『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』(すばる舎)など多数。最新刊に『カタカムナ音読法』(ワニ・プラス)。
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