体づくりには人生、運命を変える力がある——筋肉研究の第一人者・岡田隆さんが教えるトレーニング法

筋肉研究の第一人者であり、現役のボディビルダーでもある日本体育大学教授の岡田隆さん。岡田さんは自らの研究成果を元にトレーニングを重ね、2022年11月に行われたボディビル世界選手権で見事、3位入賞を果たされました。

筋トレには健康増進だけでなく、人生そのものを変える大きな力があるとし、「筋トレを社会実装する」をテーマに、YouTubeバズーカ岡田の筋トレラボ」でも積極的に情報発信を続ける岡田さんに、誰もが実践できる効果の高いトレーニング法を教えていただきました。

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己の限界に挑戦する

――岡田さんのお話を聞いて、自分も筋トレをやってみようと思う方も多いかと思いますが、誰でも実践できる効果の高いトレーニング法を教えていただけますか。

〈岡田〉
健康を保つという点でいえば、やはり、下半身のトレーニングが重要です。人間が立って歩く時に使うお尻から下の筋肉を鍛えて強くしておけば、歩けなくなったり、寝たきりになったりするリスクを減らすことができます。

具体的には、「グッドモーニング・エクササイズ」「ブルガリアンスクワット」(図Ⅰ・Ⅱ)がお勧めです。

「グッドモーニング・エクササイズ」は、両手を一直線に伸ばしてできるだけ高く上げ、そのままの姿勢で上体を前傾させていきます。これにより下半身のハムストリングス・大臀筋・中臀筋が鍛えられますし、姿勢維持の要である脊柱起立筋も鍛えられます。

「ブルガリアンスクワット」は片脚で行う、結構きつい筋トレですが、下半身の大腿四頭筋、大臀筋・中臀筋・ハムを幅広く鍛えることができ、転びにくい体をつくるのにも大きな効果を発揮します。

――下半身の筋トレといってもいろいろなやり方があるのですね。

〈岡田〉
それから、電車やバスの乗り降りの時に足下が覚束ない、体がふらふらするという高齢者の方もいらっしゃいますが、これは下半身もですが、実は背筋が衰えて体全体をうまく保てなくなっているケースが多いんです。背中を鍛えるのにお勧めなのが、「ベントオーバーロウイング」(図Ⅲ)という筋トレです。

「ベントオーバーロウイング」は、ペットボトルなどを入れた袋を前傾姿勢のままそれぞれ両手で引き上げます。ポイントは猫背にならないように胸を張り、背中を締めるように引き上げることです。詳しくは図Ⅲを見てください。これで、背中の脊柱起立筋・僧帽筋・広背筋・大円筋が鍛えられ、体全体のバランスが整います。

あと、これは見た目の観点になりますが、強い体のシンボルといえば、やはり上半身、「胸板」でしょう。胸板を厚くするには、大胸筋を鍛える「プッシュアップ」(図Ⅳ)がお勧めです。これはいわゆる腕立て伏せですが、脇を開き過ぎず、胸全体を大きく広げながら、体を床すれすれまで下ろすことがポイントになります。体を上げる時も、腕ではなく「胸に力が入っているか」と意識しながら行ってください。

――下半身、背中、胸、それぞれ回数はどれくらい必要ですか。

〈岡田〉
基本的には、「自分の限界までやる」というのが筋トレのコツなんです。筋肉は負荷をかけるほど発達しますから、最初に何回と決めてしまうよりも、「自分の限界と向き合う」「自分の限界に迫っていく・更新していく」という心構えで続けていくことが大事です。

例えば、「ブルガリアンスクワット」は確かにきついですが、頑張って少しずつでも続けていけば、何歳になっても元気に歩ける下半身になります。きついからこそ効果的なのだという当たり前の思考に切り替えることが重要ですね。

どの分野でも同じだと思いますが、自分で限界をつくってしまえばそこから退化が始まります。楽なほうに行ってはいけないんです。

――自分の限界、きついことに挑戦していくことが、健康で頑丈な体を手に入れるためには大事だと。

〈岡田〉
近年、家でも施設でもバリアフリー化が進められていますけれども、階段や段差といった体への負荷や障害をあまりになくし過ぎると、逆に人間の体は弱くなってしまいます。

生活や労働環境のオートメーション化もそうですが、人間が体を使わなくなっていることが、糖尿病や肥満の急増という弊害となって表れていると思うんですね。現代は自分で意識的に動き、己を鍛えていかなくてはならない「筋肉の時代」なんです。

人間は何歳になっても筋力を高める、保つことができることは研究から分かっていますから、自分は無理だとか、年だからとか思わず、ぜひ自らの限界に迫っていく〝攻めの筋トレ〟にチャレンジして、「己を鍛える」ことを習慣にしていただきたいと思います。


(本記事は月刊『致知』2022年9月号 特集「実行するは我にあり」より一部抜粋・編集したものです)

◎本インタビューには、

 ・筋トレを社会実装する
 ・理論と実践、両方を追求する
 ・自分に限界をつくらない
 ・鍛錬の積み重ねが人生をつくる

など、何歳になってもいきいき健康で生きる筋トレの極意が満載です。本記事の詳細・ご購読はこちら「致知電子版」でも全文をお読みいただけます。こちらから】

◇岡田隆(おかだ・たかし)
昭和55年愛知県生まれ。日本体育大学卒業。日本体育大学大学院体育科学研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(体育科学)、理学療法士。平成28年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。令和3年東京オリンピックで柔道全日本男子チーム体力強化部門長として史上最多5個の金メダル獲得に貢献。令和4年より日本体育大学教授。著書に『世界一細かすぎる筋トレ図鑑』(小学館)『「食べる」を増やして、絞る!最高の除脂肪食』(ポプラ社)など多数。YouTube「バズーカ岡田の筋トレラボ」でも情報発信中。

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