「仕事ロス」に直面するシニアに聞かせたい——生涯現役を貫く90代10人の金言

定年退職で燃え尽き、新しい分野にチャレンジする意欲をなくした「仕事ロス」に直面する60代、70代のシニアが増えていると言われています。その一方で、生涯現役を貫く元気な高齢者も少なくありません。「人生100年時代」を生きる90代の方々の“金言”を紹介します。

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歩くことが大切/過去よりも将来に目を向ける

人生は「起承転々」
70以降の人生というのは、戸惑いつつ生きてきたというのが正直なところですね。そして、それは依然として続いているわけで、言わば人生、起承転々です。「結」に至ることなく、転々と転がっている。いずれ来るであろうお迎えのことは考えていないと言ったら嘘で、四六時中頭の一角にあります。いつ問題が起こっても不思議ではないので、何が起ころうとも驚かないよ、ということです。(童門冬二/作家)

「歩くこと」で人生が豊かに
元気にやってこられたのは、30年間にわたって「歩くこと」を一所懸命にやってきたからですよ。最近はさすがに足腰が弱ってきたこともあって、昔に比べると歩くスピードや距離は落ちてきてはいますけど、それでも一日30分は歩いております。自分の生活に「歩くこと」を組み込んだわけですが、これが非常によかった。60代以降における私の人生を実に豊かなものにしてくれました。(長谷川慶太郎/国際エコノミスト)

目的意識を持て
よく若い人に伝えているのは、はっきりした目的意識を持てということです。やりたいことが見つかったら、それに向かって妥協せずに突き進む。いい加減な趣味ではなく、興味があることのすべてを徹底して身につけなさいということです。これは何も学舎だけじゃなくて、あらゆる仕事に通じる大事な姿勢だと思います。(皆川達夫/立教大学名誉教授)

過去は2度と帰ってこない
議員を引退した2年後に、84歳で弁護士登録をしましてね。土日は世間並みに休みますけど、平日は西麻布の事務所に出て仕事をしているんですよ。(元気の秘訣は)昨日のことも去年のことも、過ぎてしまったことは2度と帰ってこないんだから、なんぼ後悔しても仕方がない。それよりは、将来に向かって自分はこういうことをしようと考えることのほうが大事だと。(相沢英之/弁護士)

社会に必要とされる存在に
いま僕がこうして仕事ができるのは、何といっても足腰がちゃんとしているからでしょうね。80、90になったって、やっぱりいい仕事をしていれば、「あなたのうなぎを食べたいから、来たよ」って、お客さんがお店に足を運んでくれるんです。この年になっても、そうやって社会に必要とされているっていうのは、ほんとにありがたいことですよ。(金本兼次郎/老舗鰻料理店「野田岩」五代目)

休まず働くこと/目の前の仕事に没頭する

一度も休むことはしない
ちょっとやそっとのことでは、医者には行かないようにしてきました。行くとどうしても、癖になってしまうでしょう。時には我慢をしてでも、この70年間、一度も休むことなく教壇に立ち続けてきました。これは健康だからできたことですけど、こんな年寄りの講義でも、受講生の方々は皆さん楽しみにしてくれています。だから多少具合が悪いからという理由だけで休むわけにはいかないんです。(安沢直次/簿記講師)

生きている限りは働き続ける
この年まで生きてみてつくづく思うのは、ただ長生きするだけではダメだということです。生きて仕事をすることです。生きている限りは働き続けることが人間としての一番正しい生き方だと思うんですよ。とにかく様々なご恩に対する感謝の思いから、恩返しをしていきたい、人のためになることやったら何でもやりたいという気持ちでいます。(津田佐兵衛/井筒八ツ橋本舗オーナー)

目の前の仕事に没頭する
修行というのは2、3年ちょっとやったくらいではダメで、10年単位の修行が不可欠です。道元の言葉に「雑務と本務の区別はない」とありますけど、やり込んだ方の言葉は違いますよね。あれこれ仕事を区別することなく、目の前の仕事に没頭してやり切っていくことの大切さを説いた道元の言葉を、私は仕事の心得として大切にしてきました。(辰巳芳子/料理研究家)

慢心しないこと
いまもこうして飛び続けてこられたのはなぜかと考えると、一度も慢心しなかったからじゃないかと思うんです。ある程度長く一つの仕事をやっていると、自信がつくでしょう。その自信がいつしか過信になる。その先は自惚れだよね。だいたい過信している時っていうのはトラブルが大きくなるもので、飛行機の場合は死亡事故に繋がる。(髙橋淳/日本飛行連盟名誉会長、パイロット)

創造力は70歳でゼロになる
(元気の秘訣は)やはり仕事をしていることがいいんじゃないですか。年を取ったからと言って何もしないということは、生きる力を失うことに繋がると思うんです。アメリカから戻って筑波大学の学長になったのは67歳の時でした。創造力は70歳でゼロになるので、それを見越して教育者としてやっていこうと心に決めて戻ってきました。(江崎玲於奈/ノーベル物理学賞受賞者)

(本記事は、月刊『致知』の90代の方をインタビューした連載「生涯現役」の中から一部を抜粋・編集したものです。記事は2018年~19年のものです。あなたの人生や仕事の糧になるヒントが見つかる月刊『致知』の詳細・購読はこちら

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