USJをV字回復させた森岡毅が、いまを生きる20代へ贈るメッセージ

独自のマーケティング手法を武器に、経営危機に瀕していたUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復へと導いた戦略家・マーケターの森岡毅さん。その再建成功の原点は20代にあるという森岡さんが語る、若者へのメッセージとは。

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チャレンジは20代の特権

〈森岡〉
20代は仕事の面で「食わず嫌い」な人が多いが、やってみたら案外できるということが結構ある。だから、上司から「やれ」と言われたことは、まずは騙されたと思って一度やってみるべきだ。1日、2日ではなく、半年、1年続けて「やっぱり向いてないな」と思ったらそれ以上は追求しなくていい。 

そうやって場数を踏み、自分の得意・不得意を見極めていくことが非常に重要だと思う。結果をより出すためには、自分の特徴を生かすしかないからだ。 

20代の時に当たり障りのないことばかりやって、挫折も失敗も経験しないと、自分の強み・弱みは分からない。20代の特権とは、己の特徴を知るための様々な経験を貪欲に追求できることだろう。30代、40代になると立場的に大きな失敗はできなくなる。20代は失敗しても失うものは少なく、むしろ得られる成果のほうが多い。 

ゆえに、徹底的にチャレンジして、あちこちにぶつかって、傷だらけになってほしい。その「傷」が「気づき」になり、人間を大きくしてくれる。 

「迷った時は厳しいほうを取れ」 

これは私の父親の口癖で、父親はこの言葉通りの生き方を貫いてきた。私が大学生の時、父親の勤務先が倒産してしまったのだが、父親は給料も出ないのに会社に行き続け、来る日も来る日も部下の就職斡旋に奔走した。自分の就職も決まっていないのに、である。 

当時は要領の悪い人だなと思っていたものの、父親の背中を見て育った私も、いつしか厳しい道を選択するようになった。 

いま私が声を大にして伝えたいのは、人生の中で最も体力・気力に溢れた20代の時期に、自分が注ぎ込む仕事に対してワクワクしたくないか、ということだ。それは安心して楽に達成できることを毎日繰り返していては決して得られないと思う。

ワクワク充実した人生を送るために、チャレンジは不可欠なのだ。自分にとって意味のあるチャレンジが何なのかを、しっかり考えていただきたい。 

当然ながら、度が過ぎると人間は壊れてしまう。私自身もその瀬戸際を歩いたことが何度もある。ただ、壊れないようにと温存していてもチャレンジはできないし、自分にとってもう限界だと思う時、本当の限界はそこにはない。もっと先にある。 

人間の脳は8対2くらいで楽なほうにバイアスをかけているという。だから厳しいほうに8割踏み込んでも大丈夫なのだ。


(本記事は月刊『致知』2019年7月号 連載「20代をどう生きるか」の記事から一部抜粋・編集したものです)

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 ◇森岡 毅(もりおか・つよし)
昭和47年兵庫県生まれ。平成8年神戸大学経営学部卒業後、P&G入社。日本ヴィダルサスーン、北米パンテーンのブランドマネージャー、ウエラジャパン副代表などを経て、22年⑭ユー・エス・ジェイ入社。24年より同社チーフ・マーケティング・オフィサー、執行役員、マーケティング本部長。29年に退社し、マーケティング精鋭集団「刀」を設立。最新刊に『苦しかったときの話をしようか』(ダイヤモンド社)がある。 

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