2018年07月07日
全日本男子チームをはじめとするトップアスリートを指導し、自身もボディビル選手権で優勝するなど、まさに「体を強くするプロ」である日本体育大学准教授の岡田隆さん。その岡田さんに、多忙なビジネスパーソンでも短期間で体を鍛えることができる目からうろこのトレーニング法「HIIT」について教えていただきました。
驚きの「HIIT」実践法
それでは、HIITのやり方をご紹介します。
衰えた体を短期間で変えるには、特定の筋肉ばかり鍛える方法では効率が悪く、あまり効果が期待できません。その部位がすぐに疲労して怪我もしやすくなるため、継続が困難になりがちだからです。
その点、HIITは多くの部位を効率的に動かすので、加齢や運動不足で弱く硬くなった体をほぐし、関節の可動域を広げてくれる効果があります。具体的な体の動かし方は前頁のイラストを参照していただき、ここでは大まかなエクササイズの流れを記します。
まず年配の方、体力の衰えを感じている方には、体への負担の少ない「リザード&スパイダーウォーク」をお勧めします。エクササイズの主な流れは以下の通りです。
●リザード&スパイダーウォーク
①リザードウォーク 20秒
②休息 10秒
③スパイダーウォーク 20秒
④休息 10秒
①~④を四回繰り返します。体の硬い人は、最初はできる範囲の動きで構いません。続けるうちに必ず柔軟性は高まり、筋力もついてきます。
体力に自信がついてきたら、「HIITベーシック」に挑戦しましょう。
このエクササイズでは、下半身→体の表→体の裏→上半身の順に刺激し、一度使った筋肉は休ませる構成にしました。体力、筋力の低下した方でも、体を痛めることなく安心して取り組めます。主な流れは以下の通りです。
●HIITベーシック
①スライドスクワット 10秒
②休息 10秒
③プッシュアップバックキック 20秒
④休息 10秒
⑤スーパーマンフライ 20秒
⑥休息 10秒
⑦シットアップリーチ 20秒
⑧休息 10秒
慣れるまでは小さく、ゆっくりした動きでも構いませんので、確実に筋肉を刺激しましょう。
HIITは短時間で全身を強化でき、エネルギー消費量がアップします。週二回から始めれば、錆びついた体もどんどん活力を取り戻していくことでしょう。
体づくりは性格を変え、人生を変える
体づくりをすることのメリットは、性格が変わることです。
体づくりを成功させるためには、ライフスタイルを変える必要があり、新しい生活に馴染んでいくことで性格も変わっていくのです。好きなものを無頓着に食べていた人が、自分の体のことをよく考えて食事をする習慣を身につけると、もうそれを苦しいとは思わなくなるのです。
体づくりには、大変そうというイメージがあります。しかし専門家の立場から言えば、徐々に改善していき、気がついたらよい習慣が既に自分のものになっているというのが一番です。
ですから効果を焦らず、ゆとりを持って少しずつ自分を変えていくこと。HIITも、週二回が難しければ、週一回でも構いません。効果は少なくても、週一回やる習慣は身につく。そんな発想で、自分にできる範囲で続けることが大切なのです。
(本記事は『致知』2017年10月号 特集「自反尽己」より一部抜粋したものです。仕事に役立つ珠玉の体験談が満載の月刊『致知』の詳細・ご購読はこちらから)
★【前編】忙しいビジネスパーソン必見! 短時間で最大の運動効果が得られるトレーニング「HIIT」とは??★
◇岡田隆(おかだ・たかし)
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昭和55年愛知県生まれ。日本体育大学卒業。日本体育大学大学院体育科学研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。平成28年日本社会人ボディビル選手権大会優勝。著書に『HIIT体脂肪が落ちる最強トレーニング』(サンマーク出版)など。オフィシャルブログなどでも効果的なトレーニング法を広く公開している https://ameblo.jp/takashi-okada/