「お父さん」「お母さん」という呼び名のルーツはここにあった

45歳の時、専業主婦から一念発起してエステティシャンとなった今野華都子さん。世界110か国が参加するコンテストで日本最優秀賞、後にフランスで世界一の栄冠を手にしますが、ある時、38億円の負債を抱えるリゾートホテルの再建を任され、伊勢神宮にほど近い志摩を訪れます。

そうした中で出逢った日本神話、『古事記』の世界をやさしく綴った著書『はじめて読む人の「古事記」』は、発売から10日後に増刷が決定するなど大きな反響を呼びました。今野さんは、普段何気なく使っている言葉の多くが実は大和(やまと)言葉に由来していると、その魅力を語ります。

皆さんは「お父さん」「お母さん」という呼び名のルーツを知っていますか?

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魂が震えるほどの感動が全身を貫いた

〈今野〉
いまから約10年前に、私の友人からいただいたのが、阿部國治先生の『新釈古事記伝』(全7巻)でした。初めて手に取った時の感動はいまでも忘れられません。

それまで読んだどの本よりも深い解釈で紐解かれていた阿部先生の言葉に触れた瞬間、自分の求めていたものがここにあった、という魂が震えるほどの感動が全身を貫いたのです。

さらに時を同じくして、一人の男性にある相談を持ち掛けられました。当時、私は「洗顔洗心塾」といって洗顔をとおした自分育ての塾を各地で開催していたのですが、それとは別に男性でも気兼ねなく通える塾を開いてもらえないかというのです。

その時、何の迷いもなしに「ではこの本で一緒に勉強会をしましょう」と私が差し出したのが、阿部先生の『新釈古事記伝』でした。

それこそ最初はごく少数で始めた古事記塾でしたが、この七年間で拠点が全国に30を数えるまでに増え、これまでに1,000名を超える受講生と一緒になって『古事記』を学んできたのです。

お母さんとは太陽のように明るく輝く女性

その間に私たちが普段使っている言葉の多くが、大和言葉に由来していることにも気づくことができました。例えば、「おとうさん」「おかあさん」という言葉が、大和言葉からきていることはご存じでしょうか。

そもそも「おとうさん」とは、そのうちの「とう」が大和言葉の「尊し、貴し」という意味で、それに敬語と敬称の「お」と「さん」がついて「おとうさん」となりました。

また、「とう」とは和語の数え方「ひ、ふ、み……この、とお」のうち「とお」という数字的に満ち足りている様子も表していることから、心身ともに統合された、尊い人のことを「おとうさん」と呼んでいるのです。

次に「おかあさん」の「か」は、大和言葉で「火、日」という意味で、カッと熱く輝く様子を指しています。日の光はその字が示すように、力(パワー)であって、万物の命の元でもあるのです。また、「あ」は大和言葉の「生れ」から取られたもので、愛のエネルギーで命を生み出すことを指します。

そこに「お」と「さん」がつくことで、太陽のように明るく輝く、子供を産んだ女性のことを「おかあさん」と呼ぶようになったのです。

このほかにも、「こんにちは」「さようなら」といった大和言葉から派生した言葉の由来について、過去に一年ほどかけてSNSを通じて発信することを試みてきました。時には驚くほど大きな反響があったことから、現代においてもなお多くの方々が大和言葉に対して関心を示されることを実感することができたのです。

『はじめて読む人の「古事記」』には特に反響の大きかった大和言葉に由来する言葉についてもいくつか収録していますが、そうした過程を経て一冊の本にまとめ上げてみると、非常に感慨深いものがありました。

『古事記』を手にしたことをきっかけに様々な出逢いを経て、今回こうして解釈本を書くに至ったわけですが、この65年にわたる私の人生経験は、すべてこの時のためにあったようにすら思えるのですから、何とも不思議なものです。


 (本記事は月刊『致知』2018年5月号 特集「利他に生きる」より一部を抜粋・編集したものです)

◇今野華都子(こんの・かつこ)
昭和28年宮城県生まれ。平成10年エステティックサロンを開業。16年第1回LPGインターナショナルコンテストフェイシャル部門にて日本最優秀グランプリ、また、世界110か国の中で最優秀グランプリを受賞。タラサ志摩ホテル&リゾート、カルナ フィットネス&スパの社長を歴任。著書は『はじめて読む人の「古事記」』(致知出版社)など多数。

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(今野華都子・文/中尾早乙里・画)

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