二十代は夢を持って 挑戦せよ 横川 竟(高倉町珈琲会長/すかいらーく創業者)

日本初のファミリーレストラン「すかいらーく」を兄弟四人で立ち上げ、日本の外食産業を牽引してきた横川竟氏。米寿を迎えたいまなお、東京近辺を中心に約40店舗展開する「高倉町珈琲」の陣頭指揮を取り、仕事に余念がない。氏の経営者としての土台が培われた二十代の足跡と共に、次世代を担う若者へのメッセージを伺った。
【写真=ことぶき食品の店頭で母親や長女とその娘を囲む横川四兄弟(前列右が竟氏)】

商売の道に入る3つの条件——「嘘をつくな」「人のために尽くせ」「国からもらった利益は国に返せ。儲けを私物化するな」

横川 竟
高倉町珈琲会長/すかいらーく創業者

僕の人生の原点を辿ると、3歳からの3年間を満州で過ごしたことに行き着きます。代用教員の親父は国の将来を憂えて満州の開拓団「横川中隊」の隊長を務め、家族共々大陸に渡りました。

男四人女一人の三男坊だった僕は、兄たちが学校に通う間も遊び回っていたものです。大人に交じってトラクターに乗ったり、豚の世話をしたり。日本とは異なる広大な土地でのびのびと育ったことで、小さくまとまるのが嫌いな性格が形成されていったのです。

ところが、僕が小学校に上がる頃、親父は感染症を患い亡くなってしまいました。もともと住んでいた長野県に家族全員で引き揚げてきたとはいえ、農園などの財産は何一つありません。雨漏りの酷い家に住み、PTA会費さえ払えない貧しい生活を強いられました。

5人の子供を養うために母が朝から晩まで身を粉にして働いても、生活は一向に楽にならない。その姿を目の当たりにして、「勉強しても食べていけないなら、働いて稼ごう」と思い立ち、小学3年生の時から新聞配達を始めました。

中学生になると牛やヤギの飼育の他、落花生の栽培も行いました。堆肥を積んだ土室に種を蒔くと芽が早く育ち、収穫も早くなると気づき、市場に出回る時期よりも一早く出荷することで、相場より高く売ることができました。こうした幼少期の経験を通して、商売の基礎が培われたように思います。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇商売の基礎を培った幼少期
◇商売の道に入る3つの条件
◇師の教えは何でも守る
◇最悪を想定して挑戦する
◇転機となった小学生の感想文
◇準備とは、自分を磨くこと

プロフィール

横川 竟

よこかわ・きわむ――昭和12年長野県生まれ。中学校卒業後、築地の卸問屋などで修業を積み、37年兄弟四人でことぶき食品を設立。45年「すかいらーく」1号店となる国立店を出店。取締役、子会社ジョナス(後にジョナサン)社長、会長などを経て、平成18年すかいらーく会長兼最高経営責任者に就任。20年に退任後、25年高倉町珈琲1号店を東京八王子に出店。26年より会長。


編集後記

取材は1月23日(金)、国立の高倉町珈琲本部事務所にて行われました。横川さんは凛々しい佇まい、ハキハキとした若々しい口調と、とても88歳とは思えないバイタリティーに満ち溢れていました。とりわけ心を打たれたのは、築地での修業時代のお話です。「いい物を売れ、余分に儲けるな」「スピードには価値がある」「仕事は準備が8割」をはじめとしたその教えは、あらゆる仕事に通ずる極意が詰まっています。

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