「力の論理」が 支配する世界の到来に備えよ ──激動の世界を生き抜く 強い国・日本へ 宇山卓栄(著作家)

2026年1月、アメリカのトランプ政権が、突如ベネズエラに軍事攻撃を行い、マドゥロ大統領夫妻を拘束しました。いったいなぜアメリカはこの軍事作戦を実行したのか、そこから見えてくるトランプ政権の本質は何か、そしてこれからいかなる世界が到来するのか――世界各国を調査して歩き、古今東西の歴史、国際問題に通暁する宇山卓栄氏に大転換期を迎えた世界の現実を紐解いていただきました。

これからの時代に求められるのは、一つの価値基準や善悪二元論、道徳論にとらわれず、常に広い視野と冷徹な現実主義をもってアメリカ、そして世界の変化を分析し行動していくことである

宇山卓栄
著作家

2026年1月3日未明、アメリカ軍の軍事作戦により、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領と妻のシリア・フローレスが拘束された。その後、マドゥロ大統領はベネズエラからニューヨーク州の空軍基地に移送され、1月5日に同州連邦地裁に初出廷した。

今回の軍事作戦には、アメリカ軍の特殊部隊デルタフォースが投入され、空爆を伴う攻撃が行われた。しかし、アメリカ側に死者は出ておらず、まさに〝パーフェクトゲーム〟であったと言える。

これが可能であったのは、ベネズエラ内部にアメリカの協力者がいたこと、マドゥロ独裁政権下で諜報機関や軍がぼろぼろになっており機能しなかったからにほかならない。特にマドゥロ大統領の側近から召使に至るまで、ベネズエラ内部の多数の人間がアメリカの諜報機関と通牒し、情報を流していなければ、これほど完璧な拘束劇は実現できなかっただろう。

日本の一部メディアや識者たちは、アメリカ・トランプ政権によるベネズエラ侵攻について、明確な主権侵害であり、国際法を無視した暴挙である、さらには中国の台湾侵攻にお墨つきを与えてしまう、力による現状変更は許されないなど、厳しく批判している。

しかし現在の国際法や道徳的観点からアメリカを批判するだけでは、そもそもトランプ政権がなぜベネズエラに軍事侵攻を行ったのか、その背後にあるアメリカの国際戦略、激変する国際秩序の現実は全く見えてこないのである。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇ベネズエラ侵攻から見えてくるもの
◇トランプ大統領の両建て外交の本質を知る
◇力が支配する世界を生き抜くために

本記事では、国際情勢に通暁する宇山さんに、近年のアメリカの動向を紐解きながら、これからやってくる力が支配する過酷な世界の中で、日本はいかなる国づくりをしていくべきか、分析・提言をしていただきました。

プロフィール

宇山卓栄

うやま・たくえい――昭和50年大阪府生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。代々木ゼミナール世界史科講師。著述家。世界各地を取材しながら、テレビ、ラジオ、 雑誌、ネット番組など様々なメディアで、時事や歴史問題など幅広い分野について分かりやすく解説。『「民族」で読み解く世界史』『「宗教」で読み解く世界史』(共に日本実業出版社)『世界一おもしろい世界史の授業』(KADOKAWA)、第8回アパ日本再興大賞・優秀賞を受賞した『日本人が知らない!「文明の衝突」が生み出す世界史』(茂木誠氏との共著/ビジネス社)など著書多数。


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