1 月号ピックアップ記事 /致知随想
首斬り浅右衛門が教えること 黒澤龍雲(日本武徳院 殺活自在流剣法 創始師範)

剣術の道一筋に歩んできた日本武徳院 殺活自在流剣法 創始師範の黒澤龍雲氏。その氏が若い頃から意識していた剣の名手が〝首斬り浅右衛門〟と渾名された山田浅右衛門です。黒澤氏に、山田浅右衛門が奉納した名刀の数奇な運命を巡りながら、知られざる先人の足跡と遺した教えを紐解いていただきました。

罪人の首を斬る行為は神道的にいえば「穢れ」でしょうが、視点を変えれば介錯は武士としての「誉れ」なのです。
この二律背反する概念を一つにして誇り高く生きた浅右衛門の生き方も高く評価すべきなのではないでしょうか
黒澤龍雲
日本武徳院 殺活自在流剣法 創始師範
【写真=山田浅右衛門が奉納した太刀「古波平」】
長年、剣の道を歩んできた私が若い頃から意識し続けてきた剣の名手がいます。〝首斬り浅右衛門〟と渾名された山田浅右衛門です。
山田浅右衛門といっても特定の人物を指すわけではありません。山田家は江戸時代、御試御用という、将軍家や大名の刀の斬れ味鑑定、刀剣の試し斬り役を務めた家柄で、当主は代々浅右衛門の名を踏襲してきました。
九代・吉顕の代で家系が途切れ、また明治15年に斬首刑が廃止されたこともあり、試し斬りに実際に携わったのは八代・吉豊の弟である吉亮が最後となります。
山田浅右衛門は試し斬りの傍ら、代々死刑執行人も兼ねていました。武士の切腹などの際に介錯や斬首を務め、安政の大獄で処刑された吉田松陰、橋本左内、頼三樹三郎など志士たちの首を斬ったのも浅右衛門とされています。
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剣の道を歩んできた黒澤さんが語る〝首斬り浅右衛門〟の実像とは。先人が教える生きるヒントが満載です。ぜひ本誌をご覧ください。
プロフィール
黒澤龍雲
くろさわ・りゅううん――1968年横浜市出身、日本大学芸術学部卒業。曽祖父がアイルランド人で、1/8アイルランドの血が流れている。6歳より剣の道を志し、1998年、30歳で型、試斬、それらを貫く心の鍛錬を軸に据えた自身の道場「日本武徳院 試斬居合道」を創立する。2018年、道場設立20周年を機に、道場名を「日本武徳院 殺活自在流剣法」に、剣名も俗名の黒澤雄太より黒澤龍雲へとあらためる。これらはインド仏教最高指導者であり、師でもある佐々井秀嶺師の命名による。現在、横浜で二ヶ所の道場を開き、5歳から80代の幅広い男女が通う。また、道場の活動だけに止まらず、演武や講演などにも積極的に力を入れている。2008年、初の著作『真剣』が光文社新書から出版。2014年、真言宗大覚寺派の田谷山 定泉寺にて授戒する。刀剣の美術的知見については、佐野美術館館長の渡邉妙子先生の薫陶を受けている。
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