至誠通神 網谷道弘(近江神宮宮司)

各界を代表する企業、機関、団体を牽引してきたリーダーに、人生観・仕事観を形成した体験や、貫いてきた信条を披歴いただく連載「私の座右銘」。
今回ご登場いただいたのは、「大化の改新」を主導した第38代天智天皇をお祀りする近江神宮の網谷道弘宮司です。同社は、天智天皇が都を置いた近江に鎮座して85年。神社としては非常に新しいお宮ですが、日本最初の律令法典や全国的戸籍制度の施行、我が国の時計の元祖と言われる時計(漏刻)をつくるなど、天智天皇が国家形成に果たした貢献は数知れません。
一般家庭のご出身で、商社マンから明治神宮に奉職し、権宮司まで務められるに至った異色の経歴をもつ網谷宮司は、いま近江神宮で何を思うのか――。

せいつうしん
——真心を以ってすれば神に通ずる

網谷道弘
近江神宮宮司

日本最大を誇る琵琶湖を望む滋賀県大津市の宇佐山の山裾に、私が奉仕する近江神宮は鎮座しております。

御創建は昭和15年と、神社としては非常に新しいお宮です。一方で、その成り立ちは、特別なものがあると言ってよいでしょう。

御祭神は、約1360年前に国を治められた第38代天智(てんじ)天皇です。

皇子であられた645年、朝廷の権力を握り専横甚(はなはだ)しい蘇我氏から政権を奪還し、大化の改新を断行されたことはつとに有名です。その新たな国づくりに際し都を遷(うつ)されたのが、大津の宮でした。



~本記事の内容~
◇天智天皇をお祀りしたい──県民の切望と熱誠が実った社
◇神縁に導かれて商社マンから神職へ
◇神道、そして日本人が世界で果たすべき役割

プロフィール

網谷道弘

あみたに・みちひろ――昭和27年東京都生まれ。大学卒業後、商社勤務を経て國學院大學に学び60年明治神宮に奉職。平成元年権禰宜、19年禰宜、23年権宮司就任。令和4年大根地神社禰宜、5年より近江神宮宮司。


編集後記

本誌『致知』の長年のご愛読者でもある網谷宮司は、編集部の来訪を快くお出迎えくださいました。古くは大津の宮が置かれた近江。天智天皇を御祭神とする近江神宮は、日本最初と言われる時計・漏刻(水時計)発祥の地であり、様々なモニュメントが目を楽しませてくれると共に、悠久の時を感じる空間でした。かるたの聖地としても人気を博す同社の御由緒や、ご自身の来し方を振り返る網谷宮司の語りは、訥々とした中に静かな情熱を感じるものでした。

2025年12月1日 発行/ 1 月号

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