私たちの成長エンジンは「愛」である 轟 麻衣子(ポピンズ社長グループCEO)

単なるお世話役ではなく、保育に加えて勉強や躾(しつけ)など、子どもの人格形成や人生設計までを支える――イギリス発祥のこうした教育ベビーシッターたちは「ナニー」と呼ばれる。そのナニーサービスを国内で初めて手掛けたのがポピンズだ。創業者である母が、働く女性として体験した苦難や葛藤をもとに創業し業界をリードしてきた同社はいま、娘へと受け継がれ、さらなる飛躍の時を迎えている。共働きが一般的となり、事業の果たす役割が一層増す中、社長の轟麻衣子氏はいかに創業の精神を守り、事業を発展させていくのか。人生に影響を与えた留学経験や出逢い、経営者としての道のりと事業の展望を伺った。

自分が愛情を注がれれば、今度は他の人に愛情を注げるようになる。この循環が社会をもっと優しく豊かにすると思うんです。
目の前のお客様に愛情をもって接し、世の中に〝愛情の循環〟を広げていきたい。そう願っています

轟 麻衣子
ポピンズ社長グループCEO

─御社は創業以来、「働く女性を支援する」という思いのもと、事業をされてきたそうですね。

〈轟〉
はい。具体的には3つを柱として事業を行っています。1つはファミリーケア事業。シッターによるお子さんのケアや高齢者向けに在宅で行うケアになります。2つにエデュケア事業。認可保育所や学童保育・児童館など全国に300か所以上の保育・教育施設を展開しています。3つにそれらのサービスの質を高めるための調査研究や教育研修を行う、プロフェッショナル事業です。

特にファミリーケアにおけるナニーサービスは、1987年に国内で当社が初めて手掛けたものです。いまでも「ナニーって何?」と言われますが(笑)、これはイギリス発祥の教育ベビーシッターのことで、保育に加え勉強や躾など、その範囲が人格形成や人生設計に及ぶのが特徴です。現在は約2,500名のナニーが所属しています。

日本では未だに、育児は母親の義務だ、ずっと子供の傍にいるべきだという既成概念があります。しかし、共働きが一般的となったいま、ナニーやベビーシッターの助けを借りるのは自然な流れであり、後ろめたい気持ちになる必要はないのです。

ポピンズのサービスも、助成金制度の活用で1回当たり数百円程度で利用でき、母親は安心して仕事をすることができます。このように、事業を通じて既成概念を取り払い、働く女性を支援すること。その使命に向かって日々挑戦を続けているところです。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇既成概念と戦い、働く女性を支える
◇道がないなら創る 創業の原点となった母の体験
◇大切なのは時間ではなく愛情の深さ
◇産後鬱を経験し家業に入ることを決意
◇さらなる成長を目指して上場を果たす

プロフィール

轟 麻衣子

とどろき・まいこ――昭和51年東京都生まれ。小学校卒業後、単身でイギリスへ留学。ロンドン大学を経て就職。メリルリンチインターナショナル、シャネル等を経て帰国し、平成24年に母の創業したポピンズの取締役に就任。30年同社社長に就任。令和2年東証一部に上場。現在は東証スタンダード市場に所属。


編集後記

創業者である母・中村紀子氏が創業した同社。ユニークなのは、ナニーサービスをはじめ、創業者が当事者(働く女性)として体験した苦難や葛藤をもとに事業が生み出されてきた点です。数年前には、その創業者が難病を発症。それを受けて2018年に社長に就任した轟氏は、育児と介護を行うダブルケアラーでもあります。そんな境遇を活かして目下は介護分野に挑戦を広げていきたいという轟氏。常に当事者として「働く女性」に真に寄り添うサービスを提供してきた同社の創業からの変遷と轟氏の人生、経営者としての決意が語られています。

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