8 月号ピックアップ記事 /大自然と体心
猛暑から命を守る「飲水学」 谷口英喜(済生会横浜市東部病院患者支援センター長)

多くの方が悩まれているであろう健康の問題に対し、「体と心は繋がっている」という観点から、読者の皆様に役立つ健康情報をお届けしている連載「大自然と体心」。今月ご登場いただいたのは、済生会横浜市東部病院患者支援センター長・谷口英喜さんです。
6月に入って以降、蒸し暑さが各地を襲っています。果たして今年の夏はどれほど暑くなるのか……現役の麻酔科医にして、水分補給に関して医学的見地から本質を衝いた発信を続ける谷口医師に、いま求められる「飲水学」についてお話しいただきました。
体の悪くなったところを治すために飲むのが薬なら、体を悪くしないために飲むのが水なのです
谷口英喜
済生会横浜市東部病院患者支援センター長
近年、夏場に猛烈な暑さが続いています。厚生労働省によると、2024年6~9月の熱中症による死者(概数)が過去最多となる見通しであることが分かりました。その数、計2,033人。これは2000年までの10年間の熱中症死者に匹敵する数字です。
今年も、既に昨年以上の酷暑が予想されています。そこでいま皆様にお伝えしたいのが「飲水学」です。飲水学は、現役の麻酔科医である私が考案した名称で、論理的かつ科学的な根拠に基づく最適な水分補給を学ぶ学問です。
人間の体の大部分を水が占めていることはご存じの通りです。実は、水分量が年齢相応に保たれていてこそ、人間は健康を維持できます。それにも拘(かかわ)らず、学ぶ機会がほとんどありません。
2023年、興味深い調査結果が発表されました。アメリカの国立心肺血液研究所が、中高年(45~66歳)のアメリカ人15,792例の水分補給量を追跡調査しました。
すると40歳以降、適切な水分補給をしていた集団と、そうでない集団とでは……(続きは本誌をご覧ください)
~本記事の内容~
◇現代生活の中に自然を取り入れる方法
◇早寝早起きが人生の土台となる
◇自然に生かされて生きていることの自覚
プロフィール
谷口英喜
たにぐち・ひでき――医学博士。平成3年福島県立医科大学医学部卒業。その後、横浜市立大学医学部麻酔科に入局。23年神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授。28年済生会横浜市東部病院患者支援センター長。専門は麻酔学・集中治療学・経口補水療法・脱水症対策など。著書に『熱中症からいのちを守る』『いのちを守る水分補給』(共に評言社)他多数。
編集後記
最も熱中症の危険が高まる時期はいつでしょうか? 実は、蒸し暑さが急激に増し、気温が高まる7月だそうです。日頃、あまり意識することのない水分補給について、いまこそ学んでおきたいものです。

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