【最終回】そして二宮尊徳は神となった 北 康利(作家)

〝二宮尊徳はどんな人か。かう聞かれて、尊徳のことをまるで知らない人が日本人にあったら、日本人の恥だと思ふ。それ以上、世界の人が二宮尊徳の名をまだ十分に知らないのは、我らの恥だと思ふ。〟
――作家・武者小路実篤の言葉です。

白洲次郎、松下幸之助、吉田茂、小林一三、稲盛和夫……日本の歴史に名を刻む数多の偉人の評伝を上梓してきた作家・北康利さんが、いま、刮目する人物。それが二宮尊徳です。
尊徳に深い敬慕を抱く北さんが丹念に資料を紐解き、縁の地に足を運んで活写される尊徳の生涯は、読む人にこれまでにない感動を与え、大いに生き方の指針となる内容です。

〈写真左=終焉の地・報徳役所跡に建つ二宮尊徳銅像(著者撮影)|写真右=撮影:齊藤文護〉

「予(わ)が足を開け、予が手を開け、予が書簡を見よ、予が日記を見よ、戦戦兢兢(せんせんきょうきょう)深淵に臨むが如(ごと)く、薄氷を履(ふ)むが如し」
——尊徳最晩年の日記にある〝遺言〟

北 康利
作家

●これまでのあらすじ

小田原藩の仕法畳置きで意気消沈する尊徳を、初孫の死産、最愛の娘の死が襲いかかる。運命はあまりにも彼に苛酷であった。残る命の炎を日光仕法に傾けようとした彼だったが、肉体はもはや限界。彼の命数はいよいよ尽きようとしていた。

 ~最終回の目次~
 ◇予が書簡を見よ、予が日記を見よ
 ◇尊徳帰幽す
 ◇余徳嫋々(じょうじょう)たり
 ◇さけやこの花いく世ふるとも

プロフィール

北 康利

きた・やすとし――昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書に『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)など多数。近著に『ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者 塚本幸一』(プレジデント社)がある。


編集後記

2024年4月号より始まった「二宮尊徳」は今号で完結を迎えます。本連載は近く単行本として弊社より刊行予定です。ぜひお楽しみにお待ちください。

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