人間は必ず死ぬ だから毎日一所懸命生きる 岩波弘介(岩波建設社長)

岩波弘介氏、96歳。いまも社長として経営の第一線で活躍し続けている。戦争、不況、病気と、数々の試練を乗り越え、なおも前進を続ける生命力の源と、長きにわたる道のりを経て掴んだ人生の心得に耳を傾けた。

人間は必ず死ぬ。いつ死ぬかも、どこで死ぬかも分からない。

だから毎日一所懸命生きる。

こういう死生観で毎朝早く出社して夕方6時頃まで仕事し続けているんです

岩波弘介
岩波建設社長

──岩波さんは、96歳のいまも現役の社長として経営の第一線で頑張っておられるそうですね。

(岩波)
昭和51年にこの東京の町田で岩波建設を立ち上げて、近隣で住宅の分譲や増改築、そして賃貸事業を手がけてきました。会社をつくったからには絶対に後戻りはできないし、赤字も出せない。

肚を決めてきょうまで50年、もうずーっと頑張ってきました。いま振り返れば、数え切れないほどいろいろなことがありました。

──50年間経営の重責を担ってこられたとは、大変な偉業です。

(岩波) 
これもすべて多くの皆様のご指導、ご支援のおかげです。

この50年間、我われの業界も大きく変わりました。一時は年間70棟くらい分譲を手懸けて、年商30億円くらい計上していましたが、いまはもう会社の規模は10人と決めて、外注できるところはアウトソーシングしています。

──10人の社員様の内訳は。

(岩波) 
私以外に常務をしている長男と、事務員が2人、営業が3人、設計と現場担当者が3人の実働10人です。

昭和から平成に年号が変わった時、これから世の中や経済が大きく変わると思い、実際にバブルが崩壊して大変でした。会社も大きく変わらなくてはならないと思いました。そのためには会社の経営指針が必要と考え、社是、社訓を制定して朝礼で全社員で唱和することにしました。これは平成元年から今日まで続けています。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~
◇会社を創業して50年 いまも社長として活躍中
◇開戦から終戦まで直に体験
◇戦火の中を潜り抜けて
◇厳しい繊維不況の中で建築業へ転身
◇96年の人生を経て見出した人生の心得

プロフィール

岩波弘介

いわなみ・ひろすけ――昭和4年東京生まれ。23年東京繊維専門学校(現・東京農工大学工学部)卒業。24年家業の織物業に入る。51年㈲岩波建設を創立し、社長に就任。54年岩波建設㈱に組織変更して現在に至る。


編集後記

96歳で現役社長を務める岩波さん。東京・町田になる岩波建設本社で行われた取材では、1時間30分にわたり、全く淀みなく96年の生涯と心掛けてきた人生・仕事の心得を縦横に語っていただきました。そのバイタリティの根本にあるものは何か、何歳になってもいきいき生きる極意が満載のインタビューです。

2025年7月1日 発行/ 8 月号

特集 日用心法

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