5 月号ピックアップ記事 /インタビュー
Never never never Give up 【日本一へと導いた監督の流儀】 山田耕介(前橋育英高等学校男子サッカー部監督)

高校サッカー界において4回の全国制覇を成し遂げ、これまで輩出したJリーガー数で日本一を誇る前橋育英高校男子サッカー部。44年前から同部の監督を務め、強豪校へと育て上げたのが山田耕介氏である。荒れ放題の部室にリーゼント頭の部員がたむろしていた就任当時、その後の日本一までの軌跡は決して一路順風ではなかったというが、いかにして山坂を乗り越え道を切りひらいてきたのか。氏の苦節の日々から見えてくる、人財・組織づくりの要諦とは――。
【写真=7大会ぶりに決勝の舞台に戻ってきた2024年度全国高校サッカー選手権。流通経済大柏とのPK戦10人目までもつれ込む死闘を制し、2度目の高校選手権制覇を果たした】

「選手の総合力=(技術力+身体能力)×人間力」
いくら技術が優れていても人間力がゼロであれば、選手の総合力はゼロです。逆に人間力が高ければ、人間として立派な人格が形成され、自ずと総合力は上がっていく
山田耕介
前橋育英高等学校男子サッカー部監督
――山田監督の率いる前橋育英高校サッカー部は4回の全国制覇を果たし、Jリーガー輩出数で日本一を誇るそうですね。その強さの秘訣はどこにあるのでしょうか。
〈山田〉
これまで130人を超える選手がプロの世界に巣立っていきました。我が部には皆サッカーが好きで入部してきます。それまでサッカーの楽しさを感じながら生きてきたのに、高校生活で燃え尽きては絶対にダメ。将来どんな道に進んでも、サッカーを大好きでいてほしいと思っています。
しかし、和気藹々とすることを目的にしたら、絶対に強くなりません。共通の目的は勝つことで、そのために選手同士が本気でぶつかって、互いを認め合う。そうして本音で向き合っていくうちに、どんどん一体化していくんです。
――好きなことに本気でぶつかることがチームを一つにしていくと。
〈山田〉
ええ。だからこそ、指導者である私も本気で選手に向き合わなければいけないと思うんです。
現在の部員数は170人ほどで、そのうち約120人が寮で暮らしています。私は月曜日から木曜日まで寮に寝泊まりし、選手一人ひとりと面談をします。サッカーの話でなくても学校生活や進路についてコミュニケーションを取りながら、状況に応じて必要な言葉を掛けるように苦心してきました。
――前橋育英高校サッカー部の生活サイクルを教えてください。
〈山田〉
毎朝6時に起床し、6時15分からの点呼で一日が始まります。その後……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~(全4ページ)
◇Jリーガー輩出数日本一 強さの秘訣は人間力にあり
◇恩師・小嶺忠敏先生から学んだこと
◇指導者が本気で選手に向き合っているか
◇就任36年目で掴んだ初の栄光
◇選手の総合力=(技術力+身体能力)×人間力
プロフィール
山田耕介
やまだ・こうすけ――昭和34年長崎県生まれ。52年島原商業高校サッカー部でインターハイ優勝。57年法政大学卒業後、前橋育英高校に赴任し、サッカー部監督に就任。平成29年度全国高校サッカー選手権で初優勝。令和8年ザスパ群馬のゼネラルマネージャーに就任。過去インターハイ優勝2回(平成21年、令和4年)、全国高校サッカー選手権優勝2回(平成29年度、令和6年度)を数える。著書に『前育主義』(学研プラス)がある。
編集後記
取材は2月4日(水)、群馬県の前橋育英高校にて行われました。高校サッカー界を代表する名将への取材ということで、緊張して監督室に伺うも、終始明るく、丁寧に質問に答えてくださるお姿が印象的でした。人間力を根本に据えた山田監督の指導には、スポーツに留まらず組織を率いる優れた指導者の秘訣が詰まっていると感じます。

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