4 月号ピックアップ記事 /インタビュー
一生修業。脳外科手術の道に終わりなし 谷川緑野(札幌禎心会病院脳卒中センター長)

年間10万人以上もの人が命を落とすという脳卒中。この恐ろしい病と向き合い、高難度の手術に果敢に挑み、多くの患者を治癒へと導いているのが谷川緑野氏である。脳外科の最高峰とも称賛される谷川氏は、いかにしてその領域に達したのか。自身を厳しい闘いの場へと突き動かす思いに迫った。

どんな時でも、目の前のことに集中する。手先の器用さよりも大事なのは、心のありようです
谷川緑野
札幌禎心会病院脳卒中センター長
【写真=脳外科医師としての人生を開いてくれた恩師・上山博康医師と共に】
――先ほど急遽手術に入られたと伺いました。お疲れのところ取材に応じていただき恐れ入ります。
〈谷川〉
いや、お気遣いなく。ちょっと手伝いに入っただけです。自分が手術をする時以外でも、うちの病院で手術が行われている間は自室にある3台のモニターで経過をずっとチェックしていましてね。
問題があれば「こうしたほうがいいよ」とアドバイスに行ったり、そのまま手洗いをして手本を示したりするんです。
幸い、先ほどの手術は無事に終わりました。うちは術後に必ずCTを撮ってチェックするんですが、患部の状態も申し分ありません。
――こちらの病院には、谷川先生の腕を見込んで全国からたくさんの脳疾患の患者さんが訪れているそうですが、一人ひとり慎重を期して手術に臨まれているのですね。
〈谷川〉
手術って他人様の体に傷をつけてやるものですからね。生半可なことをやったら、医者に命を預けた患者さんはたまったものじゃないでしょう。
だから若い先生たちには毎朝の検討会で、「もし自分や自分の身内が患者だったら、その手術を本当に受け入れられるかい?」という話をよくします。そこを常に意識しておかないと、間違える可能性があるんですよ。……(続きは本誌にて)
~本記事の内容~
◇真の一人前になるまで20年
◇病気で苦しんでいる人を救いたい
◇俺が求めていたのはこれだ
◇一例一例を完璧に仕上げる
◇大切なのは心のありよう
プロフィール
谷川緑野
たにかわ・ろくや――昭和37年岩手県生まれ。63年旭川医科大学卒業。旭川赤十字病院脳神経外科、市立札幌救急部を経て、平成8年網走脳神経外科・リハビリテーション病院病棟医長。14年同病院院長。在任中に米国デューク大学脳神経外科客員教授。24年札幌禎心会病院脳卒中センターのセンター長に就任。30年同病院院長代行。現職の傍ら、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校脳神経外科客員教授、東京医科大学病院脳神経外科兼任教授、日本脳神経外科学会専門医・指導医なども務める。
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