人生は金儲けでなく人儲け 吉田潤喜(ヨシダグループ創業者/会長CEO)

米国では一家に一本あると言われるほど親しまれている〝日本発〟の調味料がある。醤油・みりんベースの自家製ソースを原点に持つヨシダソースだ。辛い幼少期を経て地元京都から単身渡米し、ゼロから富と名声を手にした半生を、吉田潤喜氏はこう述懐する。「人生、金儲けやない、人儲けや」。喜寿を控える氏に、価値ある人生を送る秘訣を伺った。

人生、金儲けやない、人儲けや。
人儲けって、人をうまく使って儲けるとか、お金を騙し取ることとは違う。
人生は人との出逢い、心から応援してくれる人をどれだけつくれるか。それこそが人間の勲章やと思います

吉田潤喜
ヨシダグループ創業者/会長CEO

――吉田会長には、本誌で約20年前にインタビューさせていただきましたが、このほど看板商品・ヨシダソースの米国内の独占販売権を24年ぶりにハインツ社から買い戻され、75歳でなお精力的に活動中と伺いました。いまも若々しい気を感じます。

〈吉田〉
嬉しいこと言ってくれるね。お酒出してもらおうか(笑)。

僕は最近、ものすごくワクワクすることがある。それは人との出逢いです。「袖振り合うも他生の縁」と言うけど、何てことのない出逢いにも感動するんですよ。

というのも、75歳にして現役で会社をやり、こうして日本に来られている。6月に横浜の金沢文庫にある会員制スーパーのコストコで久しぶりのサイン会と実演販売をしました。

あの時は、お客さんがソースを1本買ってくれるのを見るだけで、駆け寄って抱き締めたいほど感動したね。

――1本売れることに未いまだ感動がある。

〈吉田〉
正直ずっと、アメリカでの商売なんて一代で終わりだと思っていたの。だから2000年、会社の売上高が2,500万ドルだった時、ソースの米国内の独占販売権をトマトケチャップで有名なハインツ社に2,400万ドルで譲渡して、ソースの海外販売、物流や不動産などグループの経営に注力してきました。

それが去年、アメリカ育ちの優秀な19歳の孫が、会社を継ぎたいと言い出した。

――後継者が現れた。

〈吉田〉
だから余計に、毎日が感動の連続なんです。

僕はいつも「決断は10秒。まず動け。動いてから心配せえ」と言うんだけど、孫の言葉を聞いた日の午後、すぐ会社の弁護士に電話して頼みました。「すぐ、ヨシダの米国内の独占販売権を買い戻してくれ」と。
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本記事の内容 ~全4ページ~
◇ヨシダソース 全米スーパーに復活
◇とにかく愛されたい、その一心で
◇苦肉の策から生まれた自家製BBQソース
◇コストコ創業者との出逢いを掴む
◇人生はすべてブーメラン

プロフィール

吉田潤喜

よしだ・じゅんき――1949年京都府生まれ。69年渡米、空手指導などで生計を立てる。82年ヨシダソースの製造販売を開始。2003年アメリカ合衆国政府より優秀中小企業家賞を受賞する。ソース事業で培った信用をベースに物流、不動産など経営の多角化を進め、現在は18の企業を擁し、年商200億円を超えるヨシダグループ会長。著書に『でっかく、生きろ。』(望月俊孝氏との共著/きずな出版)など多数。


編集後記

販売開始から43年。全米で愛されている。そんなグルメソースを生み出した破格の人物がいるということで、来日のタイミングで取材の機会をいただきました。
吉田会長のお部屋を訪ねると、両手を広げて歓迎くださり、底抜けの明るさと愛情を感じました。また、「こっちのほうが喋りやすい」とばかりに、自分から椅子を降りてじゅうたんに座り、質問に答えてくださいました。
全米で顔の知れた大経営者というイメージはいい意味で裏切られ、人との間に壁をつくらず、引き込んでいく人間味に魅せられました。「人生は、人儲けでなく、金儲け」。そのことを体現される吉田会長の創業ストーリー、そこから掴み取った人生の法則を、ぜひ誌面でお読みください。

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