当たり前を当たり前に【都城フィロソフィで 日本一の市役所を目指す】 池田宜永(宮崎県都城市長)

ふるさと納税受入額で5度の日本一に輝く宮崎県都城市。同市を牽引する池田宜永市長は2012年の就任以来、前例主義が蔓延する市役所内の意識改革を断行し、市民サービスの向上に心血を注いできた。改革の原動力となったのが、独自に編み出した行動指針「都城フィロソフィ」である。市政の道なき道を切り拓いてきた歩みと共に、組織を発展させる要諦を伺った。

人間力とは、当たり前を当たり前にやること。

都城フィロソフィに記された当たり前を当たり前に、愚直に積み重ねた先に、人間力が養われていく

池田宜永
宮崎県都城市長

――宮崎県都城市は2023年度のふるさと納税受入額で2年連続5度目の日本一に輝きましたね。

〈池田〉
ありがとうございます。194億円のご寄付をいただくことができたのは職員や地元企業の皆様の努力の賜物ですから、大変ありがたいことだと感じています。

ただ、そもそも我々は日本一を目指しているわけではありません。ふるさと納税に力を注ぎ始めたのは、市の知名度アップが目的でした。都城市をもっと知ってもらいたい。その一心で一所懸命やってきた結果、気づけば日本一にしていただいたという感覚です。

――日本一ではなく、知名度の向上こそが本来の目的であると。

〈池田〉 
ええ。結果的に多くのメディアに取り上げていただいたので、日本一になったことがPRに大きく寄与しているのは確かです。

都城市は、宮崎県と鹿児島県の県境に位置し、宮崎県では2番目に多い約16万人の人口を擁するまちです。かつては薩摩藩島津家の分家である都城島津家が治めていたため、いまでも薩摩の文化や方言が色濃く残っているのが特徴といえます。

都城といえば、やはり「肉と焼酎」です。都城産宮崎牛を筆頭に、牛豚鶏肉の総産出額は日本一を誇ります。また、上質な地下水と温暖な気候で育った芋や米からつくられる焼酎はどれも絶品で、焼酎売上高日本一の霧島酒造が本社を構えています。日本一の肉と焼酎を誇る美食の都として、多くの人々に親しまれているんです。……(続きは本誌にて)

~本記事の内容~(全5ページ)
◇日本一の肉と焼酎を誇る美食の都
◇自治体経営で市民の幸福と市の発展を実現する
◇人生の転機となった副市長の経験
◇一年間侃々諤々議論を重ね「都城フィロソフィ」策定
◇地道な発信の積み重ねがゴールへの一番の近道
◇かくしてふるさと納税日本一を実現した
◇人間力とは当たり前を当たり前にやること

プロフィール

池田宜永

いけだ・たかひさ――昭和46年宮崎県生まれ。九州大学経済学部卒業。東京大学大学院経済学研究科修了。平成6年大蔵省入省。財務省主計局主査、都城市への出向を通じて副市長などを歴任。24年より都城市長に就任。現在4期目。「自治体経営」を掲げ、市の発展や住民の安心・安全確保に努めている。


編集後記

取材は6月3日(火)、致知出版社にて行われました。池田市長は長年の『致知』愛読者であり、「『致知』に取材いただけたことはこの上ない喜び。市長をやってきて本当によかった」との心情を吐露され、弊誌の質問一つひとつに丁寧に言葉を紡ぎ出される姿が印象的でした。

2025年7月1日 発行/ 8 月号

特集 日用心法

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