『修身教授録』が教えるもの 北尾吉孝(SBIホールディングス社長)

『修身教授録』の発刊から30年。いまもなお読み継がれる弊社のロングセラーであり、座右の書とする人も少なくない。42歳で本書に出逢い、以来25年間、森 信三師の教えを人生や経営の資としてきたSBIホールディングス社長・北尾吉孝氏も熱心な愛読者の一人である。本書の魅力や学びの一端を披瀝いただいた。

仕事がある、それ自体をありがたいと思わなくてはいけません。喜んで仕事に励み、仕事を創造していく人には、実力が身についていく。その喜びが仕事の醍醐味

北尾吉孝
SBIホールディングス社長

「天という大きな視点から見たら、自分は賢いと思っている人も、愚かだと思っている人も大した差はありません。仏教ではこれを『賢愚一如』と言います。自分が絶対最上の存在であるとすれば、他人を気にすることなく、自分が為すべき務めを、ただ淡々と一所懸命にやりさえすればいいのです。
 私の事業家としての経験から見ても、相対観で物事を判断する人は決して大成することがありません。自分という小さい枠に囚われてしまって、大きな視野を見失ってしまうのです。逆に、私利私欲を捨ててでも社会全体をよくしていこうという大欲を持つ人材の中にこそ真に大成する人物がいると言ってもよいでしょう」

プロフィール

北尾吉孝

きたお・よしたか――昭和26年兵庫県生まれ。49年慶應義塾大学経済学部卒業。同年野村證券入社。53年英国ケンブリッジ大学経済学部卒業。野村企業情報取締役、野村證券事業法人三部長など歴任。平成7年孫正義氏の招聘によりソフトバンク入社、常務取締役に就任。現在SBIホールディングス代表取締役執行役員社長。著書に『何のために働くのか』『修身のすすめ』(ともに致知出版社)など多数。


編集後記

『修身教授録』を人生や経営の羅針盤としてきたSBIホールディングス社長・北尾吉孝さんのお話からは、森信三先生の言葉の力と、それを実践し続ける北尾さんの真剣な人生への処し方が伝わってきます。

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