逸話に見る安岡正篤師 知識・見識・胆識
安岡正篤先生がよく語られた言葉に「知識・見識・胆識」というものがあります。 先生の高弟・山口勝朗さんが致知出版社刊『安岡正篤に学ぶ人間学』で、次のようにわかりやすく述べておられます。
安岡先生は知識・見識・胆識とおっしゃっていました。 知識とは理解と記憶力の問題で、本を読んだり、お話を聞いたりすれば知ることのできる大脳皮質の作用によるものです。 知識は、その人の人格や体験あるいは直観を通じて見識となります。 見識は現実の複雑な事態に直面した場合、いかに判断するかという判断力の問題だと思います。 胆識は肝っ玉を伴った実践的判断力とでも言うべきものです。 困難な現実の事態にぶつかった場合、あらゆる抵抗を排除して、断乎として自分の所信を実践に移していく力が胆識ではないかと思います。
(山口勝朗著『安岡正篤に学ぶ人間学』より ※絶版)